当たり馬券をなぜかハズレにされた馬券オヤジに愛の手を
- 2018/11/06
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前代未聞の1着2着馬取り違え誤審が起こる
11月1日に行われたホッカイドウ競馬のメインレース、北海道2歳優駿において、1着と2着に入った馬の順位が逆になったまま確定してしまうという、ありえない珍事件が起こった。
過去に中央競馬JRAではたった1回だけ、昭和61年に阪神競馬で2着と3着の馬の取り違えが起きたことはあるというが、そこに1着馬が該当する逆転事件は日本の競馬史上初!
なんともお騒がせな騒動に発展してしまったが、当のまぼろし馬券を買っていた競馬オヤジたちにとっては死活問題。
しかもハズレとわかった馬券は通常「おとなしくすぐゴミ箱にポイ」してしまうのがオヤジの日常でもある(そこはあまり執着しないのよ)。
となれば、今ごろ本当の当たり馬券の山は門別競馬場から可燃ゴミとなってどんどん清掃場に送られているはずだから、現場ではプチ暴動やら新手のゴミ探し客やらがあふれていないか、すんごく気になるのである。
ジョッキーは微妙な勝ち負けに気づかないのか
その後の断片的な情報を集めてみると、
▼レース後すぐの感触では、ニセ1着馬(あえてこう言わせてください)に乗っていたジョッキー自身はなんとか自分が勝ったのではないか、と思って引き揚げてきたら、周囲はみんな「オマエが負けたよ」とこぼしていたらしい
つまり、外野から観戦していた冷静な関係者たちは、すでにニセ1着馬が2着っぽいという感じがしていたわけだ。
このジョッキーの感触と実際の着順の感触が一致しないケースはまま散見され、たとえば一番有名なレースで生じた大接戦例としては、グラスワンダー×スペシャルウィークで決まった99年の有馬記念が挙げられる。
このレース、最後の直線で先に抜け出したグラスワンダーに、道中ほぼ最後方に位置していたスペシャルウィークが外から襲いかかり、ゴール前の勢いは完全にスペシャルが優勢。
決勝線では馬体もジョッキーの位置もスペシャルが先に見えるほどだったが、唯一着順の決め手となる鼻先だけグラスワンダーが先んじて(体全体がうまく伸びきった瞬間だった)優勝。
2着スペシャルウィークに乗っていた武豊騎手は後々事あるごとに「あれは絶対勝ったと思った」と何度も口にするほどきわどい勝負だった。
当代きっての名騎手をもってしても、わずか数センチの違いで馬の鼻が降りるタイミングを見分けるのは至難の業なのである。
まぼろし馬券はどうなるの?
さてもう起きてしまったことは仕方がないので、あとはかわいそうな馬券オヤジたちに対する「損失補填」を十分してあげなければならない。
俗っぽい話で恐縮だが、あの日獲っていたはずの正しい馬券はちょっとセンスのある玄人馬券でして、ニセ1着馬は当日のグリグリ本命1番人気で、ホンモノ1着馬は6番人気でしかなかった。
つまり本命がコケた方に賭けた馬券がホントの当たり馬券だったものだから、単勝(12.4倍)とか馬単(1、2着を順番通りに当てる)、3連単(1〜3着までを順番通りに当てる)の配当がニセ馬券とは月とスッポンくらい違う高額配当なのだ。
だからどのオヤジも目の色を変えて躍起になっているわけで…。
そこんとこ、わかってあげてね。
補填については
▼馬券を捨ててしまったオヤジに対しても何らかの措置がありそう
▼でもその方法はちょっと考えさせて
というわけで、なんやかんやでさらに総額1億円以上を余計に払い戻す予定というから、騒ぎはことのほか大きくなっちゃった。
門別の街に「架空馬券長者&サギ」なる言葉が流行らなければいいなと思う今日この頃であります。
デジタル競馬なら混乱がなさそうだ
地方競馬は予算の都合もあるけど、今後こういうことが起きた場合の対策として、実物馬券との決別&「デジタル馬券オンリー発売方式」に舵を切る時に来ているのでしょう。
本人のスマホなどに馬券を買った履歴も残れば、売った方にだってデータが残る。
あとは「本当の当たり馬券」データに払い直しすればいいだけですからね。(もしかしてデジタルなら今度はニセ当たり払戻しは没収?笑えない…)
そして肝心の裁決現場においても「写真の目視」のみで着順を決めるアナログ決着法を少し考え直す契機にしてほしい。
これで2度あった事件だから、このままだと第3の事件が必ず起こる。起こってからオヤジを振り回すのではなく、起こる前にオヤジに優しい措置をなんとか備えておいてほしい。
最後に馬券オヤジたちはとりあえず「スマホで馬券を買う」術を身につけておこう。
きっと将来この手の事件の補填作業で役に立つはずだから、そのくらいはめんどくさがらないで!