核兵器の廃絶はなぜできない?ゲーム理論から解説
- 2017/11/23
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注目される核兵器
核兵器についてのニュースが最近では話題になっています。北朝鮮は核実験を行い、核兵器を保有しようとしています。その一方で、2017年のノーベル平和賞では核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が受賞しました。日本も国連総会で核兵器廃絶決議を提出し、144カ国の賛成で採択されています。このように核兵器についての話題が豊富なのです。しかし、そんな核兵器ですが、実際には廃絶されることはありません。実は核兵器廃絶はできない理由があるのです。核兵器廃絶ができないのはゲーム理論から説明できます。そこで、核兵器廃絶ができない理由についてゲーム理論を駆使して紹介していきましょう。
ゲーム理論とは?
そもそもゲーム理論とは、経済・社会において複数主体が関わる意思決定の問題や行動を数学的モデルで表し研究する学問のことです。経済学の一分野であるだけでなく、経営学や政治学、社会学、心理学などの分野でもゲーム理論は応用されています。有名な考え方としては、ナッシュ均衡や囚人のジレンマ、チキンゲームなどがあります。この中でもナッシュ均衡と囚人のジレンマから核兵器廃絶ができないことがわかるのです。
ナッシュ均衡とは?
ナッシュ均衡とはゲーム理論の中でも基本的な概念であり、重要なポイントになります。具体的な考え方としては、ゲームに参加するプレーヤーすべてが互いに最適な戦略を取り合っている状態のことを指しています。ナッシュ均衡の状態では、自分が戦略を変えると損する状態です。それは相手も同じことであり、戦略を変えれば損をしてしまいます。そのため、ナッシュ均衡のもとではどのプレーヤーも戦略を変更できず、硬直状態となってしまうのです。このように、ナッシュ均衡とは参加しているプレーヤーすべてが最適な戦略を選択しており、戦略を変えることができない状態のことなのです。
囚人のジレンマとは?
囚人のジレンマも有名なゲーム理論のモデルのひとつになります。簡単に説明をすると、お互いが協力することがベスト戦略で最善の結果になることがわかっているものの、相手が裏切る可能性がありベストの戦略ができないという考え方です。結局のところ、囚人のジレンマでは協力することがベストにも関わらず、裏切り者が出た場合は裏切り者が利益を出すため協力できないというジレンマのことなのです。
核兵器廃絶ができない理由
ナッシュ均衡と囚人のジレンマを考えると核兵器廃絶ができない理由がわかってきます。そもそも、現在がナッシュ均衡の状態になっており、本気で核兵器廃絶をするべきだと核保有国は思っていません。そのため、核兵器廃絶運動が強まって実際には核兵器廃絶は進まないのです。また、仮に核兵器廃絶を本気で考えていたとしても囚人のジレンマがあります。自国の核兵器を廃絶したものの、他の核保有国が裏切り核を隠し持っている可能性があります。囚人のジレンマの状態であるため、核兵器が世界からない状態がベストだとわかっていても核兵器廃絶はできないのです。