えっ?!異色の経歴を持つプロ野球選手たち
- 2018/09/24
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ドラフト会議が気になる季節になりました
プロ野球ペナントレースも、いよいよ大詰め。
パリーグでもセリーグでも日々熾烈な戦いが繰り広げられていますが、その一方で話題になり始めるのが今年のドラフト。甲子園を沸かせた球児たちや、即戦力として期待される大学生・社会人のスター候補たちの名前が、色々と取りざたされるようになりました。
そんな中で私、アントニオ犬助が毎年楽しみにしているのが、各球団が下位で指名する「隠し球」と呼ばれる選手たち。上位で指名される顔ぶれでは決して見られない、ユニークな経歴を持っていたりするものです。
例えば2017年のドラフトで日本ハムに7順目で指名されたのが、宮台康平投手。
東京大学出身で6人目のプロ野球選手となった彼は、今年の8月に福岡ソフトバンクホークス戦でプロデビュー。5回途中2失点ながらも、堂々たる投球でファンの心をつかみました。
また2011年のドラフトで、北海道日本ハムファイターズから7順目で指名を受けたのが大嶋匠選手。
彼が大学まで一貫して取り組んできたのはソフトボール、2008年には日本代表の4番を打っていたスラッガーなのですが、野球経験ナシでのプロ入りとは非常に珍しい。
現在では主にイースタンリーグでの活躍、一軍で持ち味の豪快な一発が待たれるところです。
元・オリンピアン、そして元・力士も
大嶋選手同様、野球経験ナシでプロ入りしたといえば、1968年のドラフト9巡目に東京オリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)から指名された飯島秀雄氏。
彼は100m走で10秒1というタイムを出し、1964年東京オリンピックの日本代表にも選ばれている短距離走のスペシャリスト。代走専門の選手として異例の指名でした。
一塁手の「ドン!」という掛け声で反射的に飛び出してしまいタッチアウトになるなど、最初のころこそ散々だったといいますが、飯島氏は次第に野球に順応。プロ通算3年間で23盗塁、46得点をあげるばかりか、人気が低迷してた東京オリオンズの観客動員に大いに寄与。今ならば、さしづめ桐生祥秀選手がプロ野球入りするようなものでしょう。
ただ、打席に立ったり守備についたりする姿は、最後まで見られなかったといいますが。
また元・力士という異例の経歴を持つのが、1989年のドラフトで千葉ロッテマリーンズから7巡目での指名を受けた市場孝之氏。
一軍経験こそないものの、引退後は自身が経営する野球塾を始めとして、楽天やソフトバンクのジュニアスクールで青少年の指導で活躍。これは特異な社会経験と市場氏の人柄あってのことでしょう。
ちなみに大相撲での「琴市場」の成績は、26勝21敗16休となっています。ケガさえなければ、大相撲で大成したのかもしれません。
「リアルマッコイズ」の御曹司が選んだ道
ドラフト最年少の15歳、2004年の9巡目で阪神タイガースに指名されたのが、辻本賢人氏。地元のボーイズリーグで活躍した後に13歳で単身渡米、野球に取り組みつつアメリカで義務教育課程を修了させたという速球派右腕、タイガースファンは大いに期待したものでした。
しかし、ケガがちだったこともあり一軍で登板することなく、5年間のプロ野球人生を終えることに。現在は得意の英語を活かし翻訳家として活躍中。余談ですが、辻本氏の父親はマニア好きがするアメカジのアパレルブランド「リアルマッコイズ」を経営しています。
あの新井さんも、異例の経歴を持つ選手の一人
そして異例のドラフト指名といえば、今年で20年間のプロ生活に終止符を打つ広島東洋カープの新井貴浩選手も、その一人。
2016年には2000安打・300本塁打を達成した、紛れもない名選手なのですが、彼がドラフトで指名されたのは1998年の6巡目。駒澤大学時代には目立った成績を残すことはできなかった新井選手なのですが、プロ入りの夢絶ちがたく、バットを持って向かったのは大学の先輩でもあり、当時すでに広島で活躍していた野村謙二郎氏の家。
彼の前で延々と素振りをすること数100回という、とんでもないアピールに励んだといいます。
その甲斐もあって、広島東洋カープへ入団。その後の活躍はすでに述べた通りなのですが、大学通算2割4分1厘、2本塁打の彼が、まさかプロの世界で2,000本安打、300本塁打を達成する大選手になるとは誰も思わなかったことでしょう。
ついでにいうと阪神タイガースを去った後、2014年以降の広島での活躍も、阪神ファンの多くが思っていなかったこと。そんな新井さんが引退するなんて……プロ野球界の秋はドラフトという出会いもあれば、引退という別れもある。
ファンにとってワクワクする一方で、寂しさも感じる季節なのです。