「ラグスト」なる、ファッションの潮流をおさらい!!

  • 2018/07/10
  • ファッション
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  • アントニオ犬助
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ストリート系ファッションの歴史をさかのぼってみる

ストリート系ファッションの歴史をさかのぼってみる

高級ストリート系ブランド……「ラグジュアリーストリート」と呼ばれる、不思議なものが登場してずいぶんたちます。

もともとストリート系ファッションとは、街中でたむろしている若者たちが身に着けていたもの。決して恵まれていはいない家庭の子どもたちが、選ばざるを得ない洋服のことですから、それほど高価なものはありませんでした。

そんなストリート系のファッションは、大別すると「ヒップホップ系」と「スケーター系」の2つに分かれます。

黒人たちと近しいのが、スポーツブランドをコーディネイトに取り入れた「ヒップホップ系」。その名の通り音楽と密接な関係を持つのですが、日本で注目を集めるようになったのが、1980年代の終わりにエアロスミスとのコラボ曲「Walk this way」を大ヒットさせた「RUN DMC」のブレイク。
アディタスのトラックジャケットやスニーカー、大振りなゴールドのアクセサリといったファッションは、その後のヒップホップ系ファッションにも大きな影響を与えています。

一方で白人たちが好んだのはスケートボードやサーフィンのブランドのロゴが、大きくプリントされたTシャツなど。
代表的なスタイルはオーバーサイズのTシャツに、同じくオーバーサイズの短パンなど。頭にはキャップをかぶり、足元はハイカットのスニーカー。そのままスケボーで遊べそうなスタイルが黎明期のスケーター系。
こちらも、ヒップホップ系ファッションと同じく、音楽との関わりが密接。彼らが好んで聞いたのは、スラッシュメタル。メガデス(Megadeth)、スレイヤー(Slayer)が代表的なものですが、何といってもスラッシュメタルで一番メジャーなバンドといえば、メタリカ(Metallica)でしょう。

 

すべては90年代のステューシーから始まった(はず)

すべては90年代のステューシーから始まった(はず)

安価でかっこいい、そしてカウンターカルチャーのにおいがする。
そんなストリート系のファッションが、何だかおかしくなりだしたのは「ステューシー(STUSSY)」が登場した90年代半ばごろ。
当時、数多登場していたスケーター系のブランドの中でも、Tシャツ一枚に1万円というステューシーの強気な価格設定に、日本でも広がりつつあったストリート系ファッションの愛好者は「プリントTシャツで、その価格はないだろう!!」と、かなり戸惑ったものでした

しかし戸惑っているストリート系ファッションの愛好者をよそに、ステューシーを身に着け始めたのが、その他大勢の若者たち。あっという間にストリート系ファッションはメジャーになったのです。

フトコロに余裕がなくても楽しめるストリート系ファッションが、ファッションのためなら金をいくらでもつぎ込める愛好家のものに……何だかなあという気持になったものです。

 

単なるロゴ入りTシャツじゃないの?!

OFF-WHITE(オフホワイト)、VETEMENTS(ヴェトモン)、PIGALLE(ピガール)、そしてSupreme(シュプリーム)……ステューシー以来、高価なストリート系ブランドは、ラグジュアリーストリート、略して「ラグスト」などと呼ばれて、すっかり定着してしまいました。

共通するのは、どれもこれも何のことはない、ロゴが入っているだけのブランドであるというところ。特別に品質が良かったり、凝ったデザインでもないのに、ロゴだけでやたらと高いというところ。そして、子どもたちがこぞってありがたがっているというところ。

「ロゴ入りというだけで高いなんて、有名ブランドならば全部同じじゃないか」という声も聞こえてきそうなのですが、ハイブランドと呼ばれているところの商品は高価とはいえ、それに見合った品質なりデザインなり、使い勝手は満たしているもの。
ところがラグストと呼ばれるブランドたちは、何も満たしていないにも関わらず、高価なだけだったりします。

 

無視できない潮流となりつつあるラグスト

無視できない潮流となりつつあるラグスト

何もわからない子どもたちが、そんなラグストにあこがれて、お年玉をつぎ込むというならば、まだ話はわかります。

しかし、わからないのが、いい大人までラグストに手を出しつつあるというところです。
年相応の成熟を重ねた大人ならば、ラグストのコストパフォーマンスの低さに気が付いて当然だと思うのですが、それに気が付かないのはどうしたことだと思うのです。
単に流行り踊らされているのは、いかがなものかと思うのです。

そして最も忌むべきは、ラグストからはストリートのニオイが一切しないところ。
元々は必然から生まれてきたストリートファッションが、金持ちの慰みものとなっているところです。

……でも、先に上げたOFF-WHITE(オフホワイト)などのブランド名ぐらいは、押さえておくべきかもしれません。例えば会社のレクレーションで、部下がOFF-WHITEのTシャツを身に付けていたら触れてあげたほうが、オヤジの株が上がるから。
もちろん返す刀で「最近のラグストはストリートの本分を忘れている!!」などと、熱弁を振るうことは避けるべき。100%、嫌われてしまいますから。

この記事の作者

アントニオ犬助
アントニオ犬助
みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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