昭和のオヤジが夢見たこと、舶来品という言葉の響きを考える
- 2017/03/08
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ラッキーストライクが原因で殴られたあの日
その昔、高校に通っていたころに、煙草を吸っているところを親に見つかり、グーで殴られたことがあります。
「未成年が煙草なんか吸いやがって」……まあ、そのことについては悪かったなと今でも思っている、法律に背くのはやっぱりダメですよね。
しかし、その後の言葉がよくわからない「しかも、洋モクじゃねえか!!」
その時、吸っていた銘柄は「ラッキーストライク」、それもソフトパッケージのカッコいいヤツ。
正直、パッケージに惹かれていただけですから、洋モクか否かはそれほど重要ではないポイント。
しかし、我々オヤジのオヤジ世代は、どうも輸入品・舶来品=高級品という図式で頭がガチガチに固まっているらしい。
ラッキーストライク=舶来品=高級=生意気、こんな図式が怒りの炎に油を注ぐ結果になったようなのです。
舶来品=高級品は関税が悪いだけであって……
舶来品=高級品。
なぜこれが成り立っていたかというと、消費税の導入以前は高額な関税が存在していたからです。
例えば、ラッキーストライクなど輸入煙草の関税は1980年まではなんと90%。その後アメリカの圧力により20%まで引き下げられたものの、私が殴られたころは、まだ輸入煙草のほうが20円/箱ほど高かった記憶があります。
同様に、ブランデーや別項でも取り上げた「ジョニ黒」などの洋酒も同様に、高額な関税がかかっていた模様。
つまり、舶来品=「高級」品ではなくて、「高額」品だっただけじゃねーか、ということ。
だから、関税がかからないことをいいことに、免税店で洋酒を買い込むという習慣が、昭和のころはあったのですね。
つまりオヤジのオヤジ世代は、高額品にあこがれたということ。
もっというと、高額品を消費できるライフスタイルにあこがれたということでしょう。
だから、高校生がラッキーストライクを吸っているのを見て、高額品を消費している様に鉄拳を振るいたくなったのでしょうね。
輸入品=優れているとは限らない
しかし、現在では輸入品に対する関税のほとんどが廃止され、輸入煙草や輸入洋酒も手ごろな価格で購入できるようになりました。
いや、煙草についてはめちゃくちゃ高くなりましたが、その辺は「たばこ税」が異常なスピードで増税されたことが原因、これについても言いたいことがあるのですが、本筋とは外れますから、ここでは割愛です。
で、手ごろな価格で購入できるようになって以降を長く生きている私たちオヤジ世代は、輸入品=高額品でもありませんし、全てが高級品ではないことを知っています。
かつ、煙草や洋酒など輸入品=うまいとは限らないことも知っています。
新しい価値観の想像は我々の双肩に!!
「……ああ、オヤジのオヤジの世代は、何にも知らなかったんだなあ」。
こんな風に昭和の時代を笑うことはたやすいもの。
しかし考えてみれば、海の向こうには輸入品=高級品を生み出す豊かな国があるに違いないと思い込んでいた昭和という時代は、なんと幸せだったことか。
例えば、めちゃくちゃ豊かに見えた、1950年代(昭和30年代)のアメリカをロールモデルとしていた時代は幸せだったのでしょう、目標があったから。
しかし、バブルの時代を過ぎて、実際に豊かになった現代の日本がアメリカに追いついてみて知ったことは、当事者たちはそれほど豊かさを感じていないということでした。
結果、目標を見失い、バブル以降の失われた20年、いや30年を日本はさまよい続けるのです。
まあ、これ以降は我々オヤジ世代がいかに新しい価値観を作り上げるかにかかっていると思うのですが。