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ながら運転で正月帰省中に逮捕!?~犯罪者とならないための心得

  • 2019/12/31
  • ライフスタイル・娯楽
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  • YTS96【法律関連のプロ】
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もう少しでお正月です。
そして、お正月には車を運転して実家に帰省する、というオヤジの方も多いのではないでしょうか?
ただ、車を運転する際のながら運転には注意を要します。
というのも、令和元年12月1日に改正道路交通法が施行され、ながら運転に関する罰則などが大幅に強化されたからです。
そこで、この記事では、
・ながら運転について(どういう行為が検挙・処罰の対象となるか)
・ながら運転の罰則、反則金、違反点数
・ながら運転で逮捕されることはあるか
という点につき解説します。
この記事がながら運転で悩みを抱えているオヤジの方々にとってお役に立てれば幸いです。

 

1.ながら運転とは?

ながら運転とは?
ながら運転と一概に言われていますが、具体的にどんな行為がながら運転なのかご存じでしょうか?

(1)ながら運転とは
ながら運転がどんな行為なのか、ということについては道路交通法71条5号の5及びながら運転の罰則である同法118条3号の2、同法117条4に規定されています。これを要約すると、ながら運転とは、車の運転中に

①無線通話装置(スマフォやガラケーなど)を通話のために使用すること
②画像表示用装置(スマフォ、ガラケー、タブレットなど)を手で保持してこれに表示された画面を注視すること
③無線通話装置を通話のために使用し、又は車などに取り付けられ若しくは画像表示用装置に表示された画面を注視し、よって道路における交通の危険を生じさせたこと

となります。
なお、以下便宜上、①②を併せて「使用・保持」、③を「交通の危険」といいます。

(2)どこまでがOKでどこからがNG?
ではどこまでがOKで(ながら運転ではなく)、どこからがNGなのか(ながら運転なのか)、具体例を用いて解説します。

①停止中にスマフォで通話した
OKです。
停止中は規制の対象から除外されています。赤色信号待ちなど、たとえエンジンをかけていても対象外です。
②子どもの体調が急変し、運転中にやむを得ずにスマフォで通話した
OKです。
規定によると、「傷病者の救護又は公共の安全の維持のために緊急やむを得ずに行う通話」は、ながら運転の「通話」から除外されています。
③速度などを表示したが画面を注視した
OKです。
速度などを表示した画面は、画像表示用装置から除外されています。
④運転中にハンズフリー装置・スピーカー機能を使って通話した。
OKです。
規制の対象となる無線通話装置は「その全部又は一部を手で保持しなければ送信又は受信のいずれをも行うことができないもの」に限定されています。
⑤運転中にスマフォを手に取り通話した、メールしたなど
もちろんNGです。ながら運転の典型事例で、使用の目的を問わずNGです。
「使用・保持」、「交通の危険」いずれかに当たる可能性があります。
⑥運転中にカーナビの画面を操作した
NGです。ただし、「交通の危険」に当たる場合のみです。
操作するということは、すなわち画面を注視したことに当たります。
ですが、「使用・保持」の場合、画面の注視は画像表示用装置を「手で保持した場合」にのみ処罰の対象となります。
これからすると、カーナビ代わりとしているスマフォフォルダに取り付けたスマフォを操作した場合も「交通の危険」に当たる場合にのみNGということになります。
⑦運転中に着信音に気付いてスマフォ、ガラケーを手に取る
NGです。
「通話のため」に使用すること、が対象となるからです。

 

2.ながら運転の罰則、反則金、違反点数

では、ながら運転の罰則、反則金、違反点数についてみていきましょう。

(1)罰則
使用・保持:6月以下の懲役又は10万円以下の罰金
交通の危険:1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
【改正前】
使用・保持:5万円以下の罰金
交通の危険:3月以下の懲役又は5万円以下の罰金

(2)反則金
使用・保持:2万5000円(大型車)、1万8000円(普通車)、1万5000円(二輪車)、1万2000円(原付車)
交通の危険:撤廃
【改正前】
使用・保持:7000円(大型車)、6000円(普通車又は二輪車)、5000円(原付車)
交通の危険:1万2000円(大型車)、9000円(普通車)、7000円(二輪車)、6000円(原付車)

(3)違反点数
使用・保持:3点
交通の危険:6点
【改正前】
使用・保持:1点
交通の危険:2点
なお、違反歴のない方でも6点で「免許停止(30日間)」の行政処分を受けます。

 

3.ながら運転で逮捕されることはあるの?

罰則、反則金、違反点数の次に気になるのが、逮捕されるかどうかということではないでしょう
か?以下、「使用・保持」と「交通の危険」とに分けて解説します。

(1)使用・保持
①結論
結論からいうと逮捕される可能性はあります。
もう少し正確にいうと、基本的に逮捕されることはありませんが、場合によっては逮捕される可能
性もあるといえます。
②使用・保持で検挙された場合の流れ
というのも、使用・保持で検挙されると、通常、刑事手続きではなく交通反則通告制度によって処
理されていくからです。
検挙後の大まかな流れを図で示すと以下のとおりとなります。
反則金を納付すればそれで全ては終了となります。
刑事手続きにのることはなく、捜査期間から捜査を受けることはありません。
刑事手続きにのらないということは逮捕されることはないということです。

 

どんな場合に逮捕される?

では、どんな場合に刑事手続きにのってしまうのでしょうか?
道路交通法では、たとえば、

・告知書(通称、青切符)を受領しない場合
・反則金を納付しない場合
・逃亡するおそれがあると認められる場合

を挙げています。
あくまでこの場合には交通反則通告制度ではなく刑事手続きにのってしまう、ということであって、そのことから直ちに逮捕されるというわけではありません。
逮捕されるには、それからさらに警察が何度となく出頭要請をしたにもかかわらずそれに正当な理由なく応じない、などといった事情が必要です。
なお、改正道路交通法が施行されるまでは、反則金未払い、不出頭などの事案に警察も寛容だったかもしれませんが、施行後は態度が厳しくなること(積極的に逮捕に乗り出すこと)も予想されます。十分注意しましょう。

 

交通の危険

①結論
結論からいうと逮捕される可能性はあります。
しかも、使用・保持と異なり、検挙後(ながら運転が発覚後)ただちに逮捕される可能性もあります。
②交通の危険で検挙された場合の流れ
交通の危険で検挙されると交通反則通告制度ではなく、刑事手続きによって処理が進められていきます。
というのも、今回の改正によって交通の危険に関する反則金が撤廃された(正確には交通の危険は反則行為ではなくなった)からです(前記2(2)参照)。
ということは検挙後、ただちに現行犯逮捕、通常逮捕されることも覚悟しておかなければなりませ
ん(なお、ながら運転の場合、緊急逮捕されることはありません)。
逮捕後は釈放されるまで警察署内の留置施設や拘置所などで生活しなければなりません。

 

どんな場合に逮捕される?

現行犯逮捕の場合は、警察官によりながら運転を現認された場合です。
警察官が逮捕するかどうかは警察官の判断に委ねられます。
通常逮捕の場合は、逃亡のおそれが認められる場合、警察の出頭要請に正当な理由なく応じな
い場合が多いと思われます。

 

おわりに

以上、ながら運転について解説しました。
ながら運転は人に怪我をさせたり、最悪の場合死亡させてしまう大変危険な行為です。
今回の道路交通法の改正は、ながら運転で当時9歳だったお子様をなくされたご遺族の懸命な訴えがきっかけとなっています。
車を運転するものとしては、罰則が強化されたことに加えて、そうした痛ましい事故や被害者の痛み、ご遺族の訴えを決して忘れてはなりません。

 

ここまで読んだオヤジにおすすめの記事2つ。

オヤジが通勤途中に痴漢で逮捕!?痴漢冤罪避けるための対策(https://yaziup.com/life-style/news/63824)
危険運転の罪と罰と対処法(https://yaziup.com/life-style/car/60587)

この記事の作者

YTS96【法律関連のプロ】
YTS96【法律関連のプロ】
年齢は39歳。趣味はスポーツ観戦、野菜作り。 大学法学部卒。長年、刑事実務経験を積んでいます。現在は法律事務所に勤務しながら、法律関係の記事を作成しています。これまで、刑事、交通、労働、離婚、投資分野の記事を作成しました。
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