テロ組織・IS(イスラム国)の現在は?今後はどうなっていくの?
- 2018/03/04
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IS(イスラム国)はどうなったの?
イラクとシリアに跨る地域を拠点として活動していたイスラム過激派組織・IS(自称:イスラム国)。ISは、イラク・シリアの国境付近を武力制圧して一方的に国家樹立を宣言しました。そして、ラッカを首都として宣言し、勢力を拡大していったのです。そんなISですが、最近ではIS関連のニュースが少なくなってきています。国際情勢が気になるオヤジとしては、現在のISについて知っておきたいのではないでしょうか。そこで今回は、ISの現在や今後について紹介していきたいと思います。
ISの首都・ラッカは陥落
ISは2014年にイラクに侵攻し、イラクの各都市を攻撃しました。そして、2014年6月29日に、国家樹立を宣言しているのです。その後、ISに対抗するため、有志連合が立ち上がります。アメリカやイギリス、ドイツなど有志連合がISに対抗するために動き出したのです。ISは世界中の支持者に各地でテロを起こすように声明を出します。実際に、世界各地でISによるテロが起こりました。しかし、徐々に有志連合やシリア軍はISが占拠している都市を奪還していきます。そして、2017年10月17日には、アメリカを中心とした有志連合の支援を受けたシリア軍は、ISが首都としているラッカを制圧したのです。これにより、ISは事実上崩壊したとされていたのです。
壊滅していなかったIS
ラッカを奪還したことで、ISは事実上崩壊したと思われていました。しかし、実はISはラッカを失ったことにより完全消滅したわけではありません。ISの影響力は大きく、首都と定めたラッカを奪還されてもまだ力を持っているのです。実際に2018年1月には、イラクでISの犯行とされる自爆テロが起こっています。さらに、2018年2月18日にイスラム教シーア派民兵組織が待ち伏せされ襲撃されました。この襲撃で少なくとも27人が死亡したと報道されています。ISは、この襲撃の犯行を主張しているのです。このように、まだISは行動をしており、消滅したわけではないのです。
ISの現在は?
ISは、首都と定めていたラッカが陥落して拠点を失いました。しかし、現在でも残党が残っており、ISの教え・考え方は受け継がれているのです。そのため、まだISによるテロ行為は続いています。さらに、ISは海外を拠点とする支持者もいます。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ISが計画していたオーストラリア発の空港機爆破を阻止したことを明らかにしています。イスラエル軍の情報部隊が計画を掴み、IS戦闘員ら逮捕につながる情報を提供したのです。逮捕されたIS戦闘員らを指揮していたのが海外を拠点とするIS幹部とされています。このように、海外にもISの戦闘員や幹部がいるのです。そのため、現在もISは活動することができ、壊滅とは言い難い状況となっています。
ISの今後は?
壊滅していないとは言え、ISの力が弱まったのは事実です。拠点を失ったことで、プロパガンダの質・量は低下し、テロ攻撃を画策する能力も弱まることでしょう。しかしそれだけに、今後はゲリラ的なテロが増える可能性が高いです。また、海外のIS戦闘員も継続的にテロを行うことでしょう。拠点がなくなったからこそ、ISを壊滅させるのは難しく警戒していかないといけなのです。
壊滅できても思想は残る…
今後、仮にISを壊滅させることができたとしてもテロはなくなりません。ISが掲げた主義・主張は世界に拡散されており、多くの若者に影響を与えてしまいました。実際に、海外から多くの若者がISに参加しています。ISはネットを使ってプロパガンダを成功させてきました。それだけに、もしISを壊滅させることができたとしても、ISの思想は残ってしまうのです。そして、新しい指導者が現れれば、再び力を取り戻すことになるでしょう。ISがなくなっても、テロとの戦いは終わらないのです。