昭和の「ジョニ黒」はそんなにうまかったのか?
- 2017/02/02
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流行の波に飲み込まれてしまったジョニ黒ですが?
さて、昔あれだけ流行ったジョニーウォーカーのブラックラベルが、今ではすっかり過去のものされてしまったことを嘆いている者です。
ジョニ黒は元々、飲みやすいように複数の強い個性を持つシングルモルトをブレンドしたウイスキーであること。
そして、その狙い通り世界中で最も飲まれているウイスキーであるにもかかわらず、なぜか日本で敬遠されている。
その理由は、何でも流行りとして取り込みたがり飽きてしまう日本人の性質にある、これは悲しいことと思っているわけです。
実際、値段なりで特別にまずい銘柄でもないですし。
なぜなら昔とは原酒が変わっているから
こんな風に、ジョニ黒が飲まれなくなったなんて話をすると「昔のジョニ黒はもっと旨かった」なんて、口走るウイスキー好きのオヤジがいます。
思わず笑ってしまいそうになるあなた!!
実はこれが、単なるオヤジ特有の懐古主義的プラシーボ効果が口走らせている訳でもないということを、ここにお伝えしておきます。
といいますのは、ジョニ黒は長い歴史を持つブレンデッド・ウイスキー。
その歴史では、原酒を造っていた小規模な蒸溜所が倒産したりでブレンドの配合が時代によってかなり変わっているのです。
うまいかどうかはともかく、昔と今では味が違うのは間違いありません。
なぜなら経営者が変わっているから
ジョニーウォーカーは現在、巨大ブランドコングリマリット「MHLV」モエヘネシー・ルイヴィトン・グループ傘下にあるのですが、それ以来急速に味が落ちたという人がいます。
これについても、思い込みでしょ?と笑ってしまうのは簡単なのですが、ジョニ黒のメインとなる原酒=キーモルトの「カードゥ(CARDHU)」や「タリスカー」、「ラガヴーリン」も同じくMHLMの傘下になっているのですから、全く根拠が無い話でもない。
現在、カードゥはグループからは外れているようですが、経営者が変わり味が変化したというのは、ない話ではありません。
「金儲けに走ってウイスキー造りの心を失っちまったんだよ」といったところでしょうか。
ただし、こんなセリフをバーで口走ると100%嫌われると思いますが。
昭和のジョニ黒を今の時代に試してみるには?
これら「ジョニ黒がまずくなった説」を裏付けるにはどうすればよいか、なのですが……簡単な方法があります。
「ヤフオク!」で「ジョニーウォーカー」で検索して下さい。
その後に、正面に張られている2枚のラベルを確認し、下部のラベルにお馴染みの「ジョニーウォーカーおじさん」が入っていない、白色の紋章が印刷されているものを落札して下さい。
もしくはキーワードに「コールドベック」を追加してみるのも良い方法、このコールドベックとは70~80年代のジョニ黒の販売代理店、昭和のジョニ黒にはコールドベックのラベルが付いているものです。
それよりもう少し前になると、日本にジョニ黒を輸入していたのはトーメンや三菱商事などの商社だったのですが。
お手軽にウイスキーマニア気分
落札予想価格は2~3,000円、現行のジョニ黒と比較して同等もしくは安いケースもあるでしょう。
それもこれも、ウイスキーはアルコール度数が高いため、一旦ビン詰めされると内容が劣化する恐れが少ないから。
そんなことを利用した遊び、変なプレミアも付いていません。
ちょっと飲んでみて、自分たちのオヤジ世代が有難がった味を体験してみるも良し、現行のものと比較して「あれ?スモーキーで、全然うまいじゃん」と感激するも良し、カードゥやタリスカーと比較してみるも良し。
以上、ちょっと通っぽい、でもあまり金のかからないウイスキーの楽しみ方でした。