筋肉は実際にどのくらい増えるの？

脂肪ではなく筋肉によって体重を増やす。正に理想の肉体改造ですが、実際には筋肉増量では何キロくらいの体重アップが見込めるものなのでしょうか。現実的には筋肉を効率よく増やそうとすれば同時に体脂肪も多少は身につけなければなりませんが、初心者のうちであれば筋肉だけをガンガン増加させることも不可能ではありません。

今回は、私がこれまで指導したりアドバイスを行ってきた筋トレ初心者の方を例にしつつ、筋トレ開始後の理想的な体重の増加ペースについて簡単に解説していきたいと思います。トレーニング内容が適切であると仮定するならば、体重増加のペースが速過ぎれば食べ過ぎ（体脂肪が増え過ぎている）を疑うべきですし、逆に体重があまり増えないようであれば食事量が足りていない可能性が高いのです。

筋トレ未経験者の1年の経過

結論から言ってしまいますと、筋トレ未経験者が正しいアプローチを1年間続けた場合、筋肉はおよそ10kg、増加させることも不可能ではありません。もちろん骨格の大きさにもよりますが、胸、背筋、脚といった大筋群をバランス良く発達させられればこのくらいは難しくはないのです。

実際に10kgも筋肉が増え、一方で体脂肪は1kg～2kg程しか増えなかった場合見た目にも筋力パフォーマンス的にも別人のように変化します。薄手の物であれば服の上からでも筋肉が発達し、明らかに一般の人とは違うスタイルであることが誰の目から見てもわかるようになります。

筋トレを始めてだいたい3ヶ月程たつと腕まわりや体の厚みが増してきたことに気づきます。そして脚も太くなり場合によってはジーパンを履きにくくなるでしょう（ただしウエストはキツくなりません）。

このような体の変化は筋トレ初心者の方のモチベーションアップに大変寄与します。それまで筋トレによって自分が本当に変わることができるのか半信半疑だった人の目に、徐々に本物の自信が漲ってくるのが客観的にもビンビン伝わってくるのです。

2年目からはガクッと鈍る

1年目で順調に10kg筋肉が増えたとしても、少しずつそのスピードは鈍ってきます。これはそもそも人間には遺伝的に身につけられる筋肉の最大量というものが予め決まっており、伸びしろが残り少なくなってきた事によるものです。

だいたい1年ごとに筋肉の増加量は半減します。1年目で10kg筋肉を増やした人でも、2年目は5kg、3年めは2.5kg…と、5年も経過すればまるでほふく前進のようにして少しずつ弱点部位の筋肉を増やしていくような作業になるのです。

逆に言えば、2年目以降も体重の増加スピードが変わらなければそれは体脂肪が増えすぎている可能性が高いのです。筋肉増加の停滞の壁を破るために、一旦ガツンと体脂肪を増やすようなやり方も絶対に間違いとは言い切れないのですが、かなりリスクが高い方法である事も事実です。

筋肥大と筋力強化を交互にトレーニングすべし

筋肉の成長が鈍ってしまうのはトレーニーにとってとても悲しい事です。まるで我が子のように大切に大切に、手塩にかけて育てたマイ・マッスル。その可能性を信じこれからも大きく強く育て続けたい。トレーニーであれば誰もがそう思うはずです。

そこで、筋肉の成長を止めないようにするための大切な考え方として「筋肥大」と「筋力強化」を交互に実践すべしという点を覚えておいて頂きたいのです。

筋肥大と筋力強化は似ているようで違うものです。そして、筋肥大が起これば筋力強化に有利になりますし、筋力を強化できれば筋肥大のためにより効果的なトレーニングを実践出来るのです。

細かなトレーニング内容については今回の記事では割愛しますが、筋肉の成長について何かしらの停滞を感じてきた場合は、この考え方を思い出すようにして頂ければと思います。