これだけは観ておきたい「男の名作映画4本」

  • 2017/12/11
  • ライフスタイル・娯楽
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はじめに

男が観るべき過去の名作映画

映画ファンならずとも、人生のたそがれ時を間近に控えた中年男にとっては「必見」とも言うべき名作映画があります。とはいっても、よくある「名作映画ベストランキング」などに選出されるような有名作品ではなく、ここではあえて、映画史に埋もれかかっている旧作映画から「男が観るべき過去の名作映画」を4本、ご紹介しましょう。

1、抵抗(レジスタンス)―死刑囚の手記より― 1957年フランス

抵抗(レジスタンス)―死刑囚の手記より―

独軍に逮捕された一人の仏軍兵士が監獄に収監される。やがて下される判決は死刑であることはまず間違いない。死を待つしかない冷たく暗い絶望の独居房で、彼は脱獄を決心する。―さて、ここからがこの映画の驚嘆すべきストーリー展開。なんとこの映画、全編にわたって主人公のクローズアップと彼のモノローグ(独り言)で最後まで進んでいくのです。

劇場で公開された商業映画で、これほど実験的な作品も珍しいでしょう。しかも「脱獄もの」というジャンルで鑑賞者を退屈させずに手に汗握るサスペンス作品に仕上げたロベール・ブレッソン監督の手腕はさすがというしかありません。

2、博奕打ち―総長賭博 1968年東映

博奕打ち―総長賭博

ご存知、昭和の大スター・鶴田浩二が主演した任侠映画「博奕打ちシリーズ」の第4作。同シリーズは1話完結式で各作品に関連性はないので、この1作だけ鑑賞しても差し支えありません。タイトルから「やくざ映画はどうも…」と敬遠されがちですが、実はこの映画、あの三島由紀夫が「ギリシャ悲劇に匹敵する傑作」と絶賛した作品。

高倉健主演作などの一連の任侠映画とも一線を画すストーリー展開は息を呑むほどのスリル。1970年代に一世を風靡した「仁義なき戦いシリーズ」や実録もの映画などの先鞭をつけた映画ともいえます。ラストのクライマックスには、大作家・三島由紀夫の衝撃の最期に通じるものが…

3、風船 1956年日活

風船

主人公の名前は「村上春樹」。とは言っても、今をときめくあの作家先生の自伝映画ではありません。原作は大佛次郎の同名小説で、功成り名を遂げた実業家の中年男が、身辺で起きるさまざな出来事をきっかけに、自分の人生を振り返り、これからの余生をどう生きるべきかを考えるようになる。一体自分の人生は何だったのか、その意義は?そしてついに彼はある決断をする…。

人生のたそがれ時にさしかかった男の身につまされるような物語。主演は名優・森雅之で、共演にはのちに石原裕次郎夫人となる若き日の北原三枝。主人公の娘役の芦川いづみが初々しくてとても美しい。監督は伝説の名匠・川島雄三。

4、第三の影武者 1963年大映

第三の影武者

「影武者を描いた映画」といえば、誰もが巨匠・黒澤明の「影武者」を思い浮かべることでしょう。「世界のクロサワ」作品に比べてこの映画の知名度はぐんと低いのですが、影武者をテーマとした映画としては、まさに「一見の価値あり」と断言できます。城主に瓜二つの百姓青年が影武者として殿の身代わりを演じる―という物語はありきたりといえそうですが、この映画では影武者が主人公の他に2人いる点が特徴。

物語の後半からはまさに波乱万丈の展開となり、結末がどうなるのか全く先が読めないのが興味津々。原作は時代小説の巨匠・南條範夫で、主演が大映の大スター・市川雷蔵。同じ大映スターだった勝新太郎が黒澤明の「影武者」の主演に抜擢され撮影途中に降板した逸話がとても皮肉に感じられる隠れた名作です。

まとめ

現在、DVDで鑑賞可能な旧作の名作映画の中から、中年男性が自分の人生を振り返ってしみじみと観ることができる映画を、邦画3本、洋画1本選びました。いずれも地味で知名度イマイチな固い作品ばかりですが、あなたの心にずしんと響く映画ばかりです。ぜひご鑑賞ください。

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