テニス選手が「カモン!」と叫ぶようになったその心
- 2019/02/23
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テニスでの「カモン!」には意味がある
テニスのトップ選手が勝負どころでのラリーをスーパーショットで制した時など、必ずと言っていいほど「カモン!」と叫んでいます。
卓球では「チョレイッ!」や「サーッ!」などと人によりそれぞれですが、テニスはどうして統一されているのでしょうか。
なんとなく出ているだけで特に理由は無さそうでもあっても、やっぱり理由はあるものです。
「カモン!」の広い解釈
・自信を持つ
カモンと言えば「カ~モンベイビー、アメリカ~」と言う歌にもあるように、「さあ、いらっしゃい」とか「どんと来い」などの上から目線的意味が込められています。
このことからショットを決めたところで、自分の方が強いと自信を植え付けさせているように思えます。
実際はあくまでも自分に向かっての掛け声なのでしょうが、どうしても相手を威圧するような気がすると言う人もいることでしょう。
ちょっと失礼な感じもしますので、中高生などは使わせていないようです。
それでもトッププロになると、試合中は相手を変に尊重せず叩きのめすくらいの勢いを持たせるにはちょうど良い言葉になっているかのようです。
・冷静になる
一方、自信は過剰となっては逆効果にもなってしまいがちなものです。
そこで、同時に叫び声とともに余計な力を抜いてしまうと言う効果もありそうです。
せっかくの良い流れを続かせて、しっかり勝利を掴み取るための掛け声でもあるのでしょう。
・勝利を祈願する
「勝利よ、来い」と言う願いを、神様に届くかのように叫んでいるようにも見受けられます。
神様は同じ選手なら声の大きい方に福を届けると思うのもいたって自然な発想でしょう。
確かに天に向かって叫んでいるパターンもよくあります。
・意味は無くてもルーティンになっている
外国人に釣られて「カモン!」を使っているうちに、スポーツにおけるルーティンのようなものの一つになってしまっていることも考えられます。
ここで急に日本語で「ヨッシャー!」などと叫んでいると、いつものようなリズムに乗れなくなりそうなのも想像できます。
詳しくは調べていませんが、英語圏ではない外国人もやっぱり「カモン!」が主流のようです。
日本人まで使うか
しかし、どうにも違和感があるのが錦織圭選手を始めとする日本人選手です。
今ではその昔の伊達公子選手も「カモン!」は頻繁に使っていたように思い出されます。
ただ、松岡修造選手が使っていた記憶はありません。
その頃の日本人はまだ「よっしゃあ!」が主流だったような気がします。
錦織選手などは日本人とは言っても、生活環境はほぼアメリカらしいのでついつい英語が出てしまうのかもしれません。
そこはむしろ「チョレイッ!」の方がまだ日本人らしくも思えてしまったりもします。
想像するに万国共通で通じる「カモン!」であれば、やっぱり相手選手にも伝わって威圧効果も期待しているからなのでしょうか。
日本語だと余計な言葉になりかねない
テニスはマナーにうるさいスポーツです。
選手は相手や審判を挑発したりなじるような言葉を発しては、注意をされたりポイントを失ったりすることもあります。
国際試合での審判は、外国人で日本語はほぼわからないものですが、その様子で何を言ったか確認される可能性もあります。
その前にそもそも何を言ってるかわからない選手は、マナーのチェックがしづらいので審判には嫌われて損をすると言う側面も無視できないのかもしれないです。
日本人でも日本語で気楽に思うように叫んでいるうちに、何かの弾みで余計な挑発をするような良からぬ言葉が出ないとも限りません。
そこで「カモン!」で全ての感情を発散することにしていれば、何の問題も起きなくなることでしょう。
そうだとすれば、これは合理的な発想かと思えます。
今をときめく英語圏外のジョコビッチ選手がイージーミスをした時にも「カモン!」と叫んでいたのも、そんなことかもしれません。