領収書の数字をごまかしてもムダ!数字の不正を暴くベンフォードの法則とは?
- 2018/11/24
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会社の経理担当者なら、毎日社員から送られてくる領収書に見慣れているはずだ。
何でもかんでも出来る限り経費で落とそうとするセコい社員がいれば、領収書を持ってくる度に、いつかギャフンと言わせてやろうと思う気持ちは判る。
そこまで行かなくても、何としてでも日々の生活の出費を経費という面目で処理しようとするセコい輩は、どこかで不正をする。
不正を見抜くテクニックがあるならば、使わずには勿体ない。
世界最初の金融詐欺『ポンジスキーム』は、世界大恐慌の時代に始まったというが、
数字の不正を暴く法則も同じ時代に証明されている。それはどんな法則だろうか。
ベンフォードの法則とは
’30年代に、米GEに居た物理学者、フランク・ベンフォードは、自然界にある様々な数値を一定数集め計算すると、統計上ある法則が成り立つ事に気付いた。
株価であれば、100、250、600、1780、3200、5500、12000円という『一番左の数字』。数字の数が3桁であれば百の位、4桁であれば千の位で観察する。
すると1~9の数字が、どの確率で、どういう風に出てくるのか判る様になるのだ。
数字の1~9のうち、1は30%、2は17.6%、3は12.5%の確率で現れる上、数字が小さい程、出現確率は高く、大きい数字になればなる程低くなるという。
1~3だけでも、全体の6割の出現率になるので、株のバイヤーは景気を読むだけでなく、この法則を知っているからこそ、儲ける事が出来るのだ。
この数字の法則が当てはまるのは、株価だけでなく、企業の売り上げ、領収書、自治体の人口、電気水道などの公共料金、納税額、河川長さ、山の標高など様々な事柄が当てはまる。
具体的な使い道は、どの様なものだろうか。
企業や組織内の内部不正チェックに使える法則
ベンフォードの法則が使えるのは、組織の内部不正チェックだ、例えば社員の領収書の金額チェックである。
領収書の数字を、ごまかそうとする人には、2つの法則があり、それもベンフォードの法則に当てはまる。
1:同じ数字から始まる金額の領収書が年内に一割溜まっている
2:先頭の数字が、満遍ない金額からはじまる領収書がある
これらは国税局の専門官が指摘する事だが、あまりにも経費経費と経費で何でも落とす人は、例えトップの人間が許してくれても、その内、国税局という、もっと大きい所から、お呼びがかかるかもしれない。
企業が経費として処理する領収書の限度額は5000円だが、5000円からはじまる『名無しの領収書』ばかりを確定申告の時に持っていく個人事業主は怪しまれる。
5や6から始まる領収書金額は、数字的にそんなに多くない。
オレだけじゃない、周りもそうじゃないかと弁明しようとも、いつもいつも何かにつれレシートを貰って経費で落とそうとしていたら、この法則を当てはめられ、こいつなんてセコいヤツなんだと思われる事は免れない。
コンプライアンス的に甘い所に勤務している人は特に注意だ。
ではベンフォードの法則が当てはまらないものがあるとすれば、どんな数字だろうか。
数字の上限が決まっているものには当てはまらない
ベンフォードの法則は、数字が何等かの要因によって変わるものが、当てはまる。
公共料金は使用料によって変わるし、株価は相場によって変わる、河川の長さや山の標高は気象条件、領収書は個人だ。
これらの『条件』が一切加わらないものなのだから、人為的に数字が割り振られたものは、ベンフォードの法則は、あてはまらない。
マイナンバー、電話番号、郵便番号、自動車のナンバープレートがこれに当たる。
人の身長、体重、足のサイズなど、ある程度数字の上限加減が決まっている上、数字の幅が狭いものも当てはまらない。
いかがだろうか。
何でもかんでもレシートを貰って経費で落とせる限り落とそうとする人がいるが、それは正直いって美徳ではない。
皆が金に困っていた世界恐慌当時に、法則が編み出されていたとすれば、どんな時代にもセコい人は嫌われたのではないか。