『DOCTORS~最強の名医~』がドル箱で『ユニバーサル広告社』が低迷する理由

  • 2018/01/13
  • ライフスタイル・娯楽
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『DOCTORS~最強の名医~』と『ユニバーサル広告社』の主演は沢村一樹である。
沢村一樹といえば、堤真一と並び、バブル以降脚光を浴びたヤジアップ世代を代表する俳優だ。

2代目浅見光彦シリーズは、12年も続くロングランとなり、彼を主演に据えた明るいドラマはヒットすると思われていた。
その目論見が多いに外れたのが『ユニバーサル広告社』である。

金曜ゴールデン枠だったにも関わらず、視聴率は4~5%と低迷。大殺界真っ只中の沢村の黒歴史になった。
彼のキャリアを位置付けた『浅見光彦シリーズ』や『DOCTORS』とどう違うのか。

 

似たもの同志が出演するドラマは売れない

沢村一樹が『DOCTORS』で演じるのは、妻亡き後、あらゆる病院を渡り歩き3000以上もの執刀経験を引っ提げ
中堅平凡な堂上総合病院に招かれてくる外科医・相良である。

似たもの同志が出演するドラマは売れない
院長たまき(野際陽子)の采配と、総合診療で何とか持ちこたえている病院で相良が出逢うのが、
負けを認めない医師、看護婦、医学界の大物たち。
彼らとの駆け引き、やりとりを時にコミカルに、時にシリアスに描いた事が、人気の秘訣だった。

劇中で相良が、患者の為なら手段を選ばず、時にニヤニヤ笑い、時にシリアスに駆け引きをする姿は、ドラマとして
メリハリが聞いていて面白かった。
正論を通す一匹狼役といっても、織田裕二の『振り返れば奴がいる』の司馬では誰にも理解されないし
『踊る大捜査線』の青島みたいな、芝居ががかった駆け引きでは、今の時代誰にも信用されない。

『踊る大捜査線』の青島みたいな、芝居ががかった駆け引きでは、今の時代誰にも信用されない
『ユニバーサル広告社』が売れなかったのは、正論を通すのに『芝居がかっていて真実味がなかった』からだろう。
登場人物も全員似ていて、共通する事は『人生しくじり負けを認められない事。』
そんな人々が傷を舐めあう様に、田舎町を復興させていこうとするドラマは、’60年代なら見ようと思うが、
今の世の中にはふさわしくない。

登場人物全員が似たもの同志だと、ドラマとしてメリハリもつかず、ストーリー展開に刺激がない。
かつては刑事モノや恋愛モノが、ゴールデン枠の鉄板だったが、それも流行らなくなった。
そこで日本で流行りだしたのが医療ものだった。

 

劇中の駆け引きがビジネスに応用できる

医療モノは各民放が、刑事モノ、恋愛モノに代わるドル箱ドラマという位置づけをしている。
『白い巨塔』、『チーム・バチスタの栄光』、『コード・ブルー』、『ドクターX』、『医龍』、『救急病棟』など
内容に真実味と緊迫感があり、技術監修も入る事もさながら、人間関係も緻密に描かれている所が、
医療モノの魅力だ。

劇中の駆け引きがビジネスに応用できる
これらのドラマは世代を問わず、スター性のあるドラマとして支持されている。
『DOCTORS』が、これらのドラマと一線を隔するのは医療ドラマの波に乗り、押さえるべき所は押さえつつも、
登場人物のキャラクターや、駆け引きに重点を置いている所だ。

医療ドラマの人間関係は泥沼になりがちだが、泥沼になる所をコミカルかつシニカルに描いている所が良い。
ドラマの中で嘲笑の対象になるのは、素直に過ちや負けを認めない人間だ。

相良をライバル視する、病院の跡取り息子外科医・森山(高嶋政伸)はその典型だ。
演じる高嶋のお陰で、ギャグキャラになった森山は、『技術・地位・名誉的には問題がないが人格的には問題有』の
マザコン外科医。
手術チームは『チーム森山』と言われる、お取り巻きで固め、お取り巻きの外科医や麻酔医も『親の跡継ぎで医者になった』役立たずのボンボンばかりで、森山という名の長いものに巻かれている。

彼がいかにボンボンかという事を際立たせているのが、母親役が松坂慶子というブっとびぶりである。
新春スペシャルでは、そんな体たらくな森山が院長になるのだが、人格的に駄目な森山を叩く医療界の大物・
伴財(石橋蓮司)が出てくる所も見ものだ。

堂上の中で、お山の大将となり、患者の外科手術も私物化する森山にヤキを入れてやろうと、相良が、
森山と伴財をわざわざ対峙させ、伴財にヤキを入れさせるシーンは痛快だ。

内向きになりがちな医療界で、相良の様に、筋を通しつつ、負けを認めない人間に、やんわり制裁を下せる人間は
少ないだろう。他のビジネスでもそれは起こりうる。

劇中で相良は、全てを自分でしょい込まず、任せるべき所は任せ、自分の過ちは素直に認め、駆け引きもする。
劇中で相良は、全てを自分でしょい込まず、任せるべき所は任せ、自分の過ちは素直に認め、駆け引きもする。
これぞと思った人材の才能は見抜き育てる。

人は私利私欲が入ってしまうので、劇中の相良の様には、なかなかなれないかもしれないが、ビジネスに
彼の駆け引きが応用できるのは確かだ。それがこのドラマが受ける理由でもある。

 

過ちを認めない輩に同情する必要はない

では、実際、ビジネスの世界で、負けや間違いを認めない人は、どの様な人がいるのだろうか。

実際のビジネスの場で、負けや間違いを認めない人を『〇〇君だから仕方ないよね』と放置していると、
業績に響く。

過ちを認めない輩に同情する必要はない
愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶというのはドイツの宰相・ビスマルクの名言だが、そもそも愚者は
『自分の失敗』という名の歴史から学べていないのだから、どうしようもない。

ここ数年で、失敗から学べないのは、発達障害のせいだから、失敗から学ばず成功から学ぶことにしているんです
と開き直ってカミングアウトする社員も出てきた。

もし本当に『成功体験から学ぶ』ことを、正しく認識していれば、他人と仕事をする時に迷惑をかけてはいけない事は
紙に書いておくべきだ。
トヨタ自動車では、この様な従業員がいることも念頭に置き、現場改善の1つとして『なぜなぜ5回』を挙げている。
これは、問題が現場で起きた時、原因を最低5回は掘り返すというものだ。
それにより勘違い、失敗やミスを対岸の火事と捉えていたものが現場に居なかったかという人的ミスが防げるという。

私の知り合いで、40前になって、よく物を忘れる男性がいる。
周囲から注意される様になって、ようやく反省する事を覚えたのだが、彼の欠点は『一言多い』ことだ。

先日も、年始初出勤の時、彼は職場に行くのに着替え一式を忘れ、スーツストアで3万近くの痛い出費をした。
ところがYシャツのサイズを間違い、あわやシャツなしというとんでもない事態となった。
これは本人の自業自得なので恥でもかかせればいいのだが、その時、ロッカーにいた先輩がYシャツを貸したので
事なきを得たのだ。

つまり『過ちを認められない人』なのだ。
その時の彼のブログは、
『あ~〇〇さんに、おごっといてよかった~シャツかして貰った~』それだけである。
一式忘れ、あわや初出勤に遅刻しかけた事は全く書いていないという事は、彼にとって問題でない。
つまり『過ちを認められない人』なのだ。

『DOCTORS』がウケる理由は、この様なつまらない事を認めない人を持ち上げた後に、バッサり斬っていく所だ。
『ユニバーサル広告社』が沈没したのは、この手のダメな人に同情したからウケなかったのだ。

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