喫煙が高血圧に影響を及ぼすメカニズムとは?
- 2016/09/14
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喫煙と血圧との密接な関係
「タバコは百害あって一利なし」と言われるように、血圧にも害があります。
高血圧の人の中に、ヘビースモーカーがいるのは想像に硬くありません。
たった一本の何気ないタバコで一般的に最高血圧は20mmHgの増加、最低血圧は10mmHgの増加、脈拍も分当たり20回増加するとされています。
この状態が約15分も続くとされているのです。
つまり本数が増えれば増えるほど、高血圧状態はより長く続くことになります。
喫煙者はこれを毎日のように繰り返していますから、慢性的な高血圧状態となっている訳です。
喫煙が高血圧をもたらす一つの要因となるのは、なんとなく血管を老朽化させることにあると思っていて間違いはありません。
高血圧は血管に負担をかけるだけでなく、喫煙習慣が続くほど善玉コレステロールが減少し悪玉コレステロールが増加します。
こうして動脈硬化などの循環器系の重大疾患にも繋がりやすくなるのです。
喫煙で高血圧になるには、その大きな原因物質が3つあります。
このそれぞれについてそのメカニズムを解いてみましょう。
これまで喫煙は体に悪いと分かっていながら止められない人も、その仕組みに理解を深め喫煙の恐ろしさに気づいてもらえれば幸いです。
狭心症、心筋梗塞、脳塞栓、動脈瘤と言った命に直結するリスクが一本のタバコで身近なものとなっているのです。
タバコのニコチンが血圧に与える影響
悪名高きタバコのニコチンは、血圧にも悪影響があります。
喫煙は肺を黒く汚すだけでなく、血液中に取り込まれたニコチンは血管内も黒く汚してしまうのです。
その黒ずみは血管を収縮させ動脈硬化を促進し、高血圧になるのです。
ニコチンは、副腎にも刺激を与えます。
するとアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、交感神経にも刺激を与え血管が収縮します。
そのため脈拍を上げ血圧を上げないと体の隅々まで血液が行き渡らなくなるため、高血圧になるのです。
タバコの一酸化炭素が血圧に与える影響
喫煙により生じる煙には、不完全燃焼により生じる一酸化炭素が含まれます。
これも高血圧の要因となっています。
一酸化炭素が増えると酸素を運ぶヘモグロビンの機能を弱めます。
このため体の隅々まで酸素を運べなくなるのです。
こうして酸欠状態となった体に、血液を余計に供給しようと脈拍は上がり高血圧になるのです。
タバコで発生する活性酸素が血圧に与える影響
喫煙すると、白血球がタバコの成分を除去しようとして莫大な量の活性酸素を発生させます。
元々、タバコの煙にも過酸化水素と言う活性酸素の一種が含まれます。
活性酸素は、体中の細胞を壊すことで知られているとおり、血管にもダメージを与えます。
また、抗酸化物質のビタミンCをも壊してしまうのです。
こうしてもろくなった血管内で血流を維持させるためには、血圧を上げるしかなくなりますので高血圧になるのです。
さらに高血圧症治療薬としてβ遮断薬を使用していれば、その効果にもマイナスとなるとされています。