化学兵器がシリアで使われた?ところで化学兵器とはどんな兵器?
- 2018/04/18
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シリア内戦で化学兵器使用か?
中東・シリアでの内戦が続いているのですが、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとの疑惑が持たれています。過去にも何度か化学兵器の使用疑惑があったのだが、今回の疑惑でシリア内戦に大きな動きをもたらしそうです。米国・トランプ大統領は軍事行動を示唆するような言動を見せており、ミサイル攻撃に乗り出す可能性があるのです。シリア内戦に動きをもたらした化学兵器使用疑惑ですが、化学兵器について知らない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、化学兵器について紹介していきたいと思います。
化学兵器とは?
化学兵器は大量破壊兵器のひとつに数えられており、主に毒ガスを使用した兵器となっています。毒性のある化学物質により、人に対して被害を与える兵器のことを指しているのです。化学兵器で使用される毒ガスとして有名なのが、サリンやVXガス、マスタードガスなどが挙げられます。また、化学兵器は致死性と非致死性に分類することが可能であり、致死性は死に至る可能性が高く、非致死性では死ぬ確率が低いとされています。催涙ガスも化学兵器としてみることができ、非致死性の化学兵器とみなすこともあるのです。
化学兵器の特徴
化学兵器の特徴は、一度に多くの死傷者を生じさせることができる点です。そのため、化学兵器は核兵器や生物兵器と同じく、大量破壊兵器とされているのです。また、核兵器に比べ開発・生産が容易であることから、「弱者の核兵器」との呼ばれ方もします。化学兵器は大量破壊兵器としてだけでなく、心理的にも恐怖を与えることができるメリットもあるのです。それだけに、化学兵器の使用は許されるものではなく、シリア内戦で使用されていたとすれば由々しき事態なのです。
化学兵器を使用した過去の事例
化学兵器を使用した事例では、第一次世界大戦で使用されたことがわかっています。その後、ドイツは毒ガス開発を進め、1915年に大規模な毒ガス放射を行っています。この頃から、化学兵器の恐ろしさが周知されていったのです。1925年にはジュネーブ議定書により、戦争における化学兵器使用が禁止されました。しかし、その後も戦争で化学兵器は使用されています。ベトナム戦争ではアメリカ軍が枯葉剤を散布したことが有名です。これも化学兵器としてみなすことができます。さらに最近では、イラン・イラク戦争でも化学兵器が使用されたとされているのです。化学兵器を使用されたテロとして忘れてはならないのが、オウム真理教による地下鉄サリン事件でしょう。戦争でなくても化学兵器が使用されることがあるのです。
化学兵器禁止条約の制定
化学兵器による危険性を危惧し、化学兵器禁止条約が1993年に署名され、1997年に発効されています。この条約により、化学兵器の開発・生産・貯蔵・使用を全面的に禁止しているのです。さらに、現存している化学兵器も発行してから原則10年以内に廃棄することを定めています。もちろん、日本も署名しており、1995年に批准しています。
シリアで化学兵器は使用されたのか?
ここまで紹介してきたように、化学兵器は非常に危険な兵器です。そのため、化学兵器の使用は断じて許すことはできません。これらのことから、シリアでアサド政権が化学兵器を使用していた場合は大問題なのです。トランプ大統領がシリアで化学兵器を使用されたとの疑惑に激怒するのは当たり前の反応であり、アサド政権を批判するのは当然と言えます。一方で、アサド政権による化学兵器使用の証拠がなければ、軍事攻撃に大義名分がありません。トランプ大統領には、化学兵器使用の証拠をつかんでから、行動を起こすようにしてもらいたい。そして、二度と化学兵器が使用されることがないように、各国が行動をするべきなのではないでしょうか。