北朝鮮の潜水艦部隊はどこまで日本の近くまで来るのか
- 2017/11/15
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北朝鮮の潜水艦搭載弾道ミサイル
北朝鮮の核開発・弾道ミサイル問題と並び、SLBM潜水艦発射弾道ミサイルの開発もアメリカをはじめとする各国の関心事です。当然、日本のオヤジにも無関係な話ではありません。
SLBMの厄介なところは、潜水艦に搭載されてどこへでも隠密裏に運ばれることであり、その先々で海中から発射することが可能な点です。ICMBの射程がグアムまでとか、ハワイまでとか、あるいはアメリカ西海岸のカリフォルニア州に届くとか言っているなかで、SLBMであれば近くまで行って撃つことができるため、各国の脅威となる兵器だといえます。
そんなSLMBですから、軍拡競争ではアメリカなどの大国に勝てるはずのない北朝鮮が開発に躍起になるのは当然ともいえます。すでに発射実験が実施されたこともあり、北極星1号と称されるSLBMの飛距離が数百キロに及ぶとされており、1000キロ程度あるともいわれています。
さらに、SLBMの弾頭に核が搭載されるようなことになれば、いよいよ重大な局面を迎えることになるでしょう。現在、新型である北極星3号が開発されているかもしれない状況にあります。普通の国であれば、もうすぐSLBMが前線に出てくるもではないかと思われるところです。
北朝鮮の潜水艦の能力が問題
ところが、せっかくSLBMを完成させたとしても、それを有効に活用するための潜水艦があるのかという問題が残ります。本来であれば、母艦となる潜水艦がある前提で搭載兵器を開発するか、少なくとも同時開発で直ぐに使用できるようにするものです。
しかし、北朝鮮にはSLBMを最大限の効果を出せるように運用する潜水艦がないかもしれない。という現実が指摘されています。
潜水艦が海中に潜って行動するのは、敵に発見されないためです。気付かれないように目的地へ到着し、こうげきを実施したら速やかに退避する。そのためには、簡単に察知されない能力が必要です。
旧日本海軍の潜水艦は、当時としてはかなり優秀なものでした。特に、伊号各潜水艦には、多くの戦果が記録されています。それでも、アメリカ軍の駆逐艦などによって甚大な被害を出しました。当時の戦いは、敵艦隊を発見したら目標を定めて魚雷攻撃を行います。必然的に、うまく命中した場合は付近に潜水艦がいることが敵にわかってしまうわけです。そうすると、速力に勝る護衛の駆逐艦が発射地点と思われる位置へ向けて殺到します。
潜水艦のほうは速力が圧倒的に遅いため、その海域からの離脱はまず無理です。安全潜航深度を超えてでも、深く潜ることで駆逐艦からの爆雷攻撃に耐えるのが対応策となりました。しかし、逃げ切れずに海中深く没してしまった潜水艦は数多くあります。
さて、現代の潜水艦は大戦当時と比較にならない進化を遂げていますが、北朝鮮の潜水艦はといえば、あまり変わっていないともいわれています。旧式で騒音が激しいという時点で、発見されずに行動するのが難しくなるでしょう。
太平洋へ出る前に、完全に補足されることも十分に考えられますし、仮にうまく抜けられたとしても、長く行動できないという欠点もあるといわれています。つまり、北朝鮮の潜水艦がどこまで来るにせよ、いまのところは実戦でSLBMを運用できるほどではなさそうです。
もし、北朝鮮が近代的な潜水艦を持つことになれば、一気に軍事バランスに変化がでかねません。そのときに備えて、対潜能力のさらなる向上が期待されます。