テニスのコーチって何をしているのか?
- 2019/03/01
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厳しい日々と引き換えで手に入れた栄光
全米に続いて、全豪オープンにも勝利した大坂なおみ選手、まさに絶好調ですね。彼女が全豪オープンで得た賞金の額は410万豪ドル、全米オープンは380万米ドルでしたから、合計で約7億4,000万円を手にしたことになる、これまでの賞金合計は11億円超になったという話もありますね。加えてヨネックスや日清食品、アディダス、日産自動車、シチズンといった企業とスポンサー契約を結んでいますから、彼女の収入は莫大なもの。アディダス1社だけでも、年間契約料は10億円に上るとされています。
そんな話を聞いて「いいなあ……お金持ち」と、遠い目をしてはいけません。
大坂選手が生きているのは勝負の世界、結果が出ている現在だから良いものの、結果が出なくなったら、収入もストップしてしまう。そのプレッシャーに耐え、日々激しいトレーニングに耐える。そんな大変な毎日を、これからずっと過ごしていくのですから。
メインのコーチが支えるのは技術、メンタルの両面
そんなプロテニスプレイヤーたちの日常は、選手一人だけで成立しているわけがありません。彼らを支え、バックアップするメンバーがいるのですが、錦織圭選手の場合は通称「チーム錦織」。中心人物は、おなじみのマイケル・チャンコーチで、担当しているのは、彼と錦織選手で見つけた課題の強化。口ぐせとなっている「Believe yourself」を連呼しながら反復練習に取り組んでいるとか。メンタル面でも支えとなっている部分も大きいでしょう。そんなチャンコーチが帯同するのは大きな大会のみ、年間20週間程度という契約になっています。
一方で錦織選手の技術や戦略、コンディショニングを指導しているのはダンテ・ボッティーニコーチ。こちらは年間通じて帯同しているといういますから、非常にハードに感じられるのですが、チャンコーチとボッティーニコーチの年間契約料は、それぞれ7,000万円と3,000万円、それだけチャンコーチの役割が大きいということです。
他にもスタッフは、フィジカルトレーナーやマネージャーら10人以上。トッププレーヤーともなると、入ってくるお金同様、出ていくお金も大きなもの。これも莫大な収入を単純にうらやんでいられない理由です。
優秀なバインコーチが大坂選手の元を去る
先日、大坂なおみ選手のコーチ、サーシャ・バイン氏が辞任を発表しました。
調子が悪いならばコーチを変えるという選択もあると思うのですが、絶好調のこの時期になぜ?と、多くの人が疑問に思ったものです。加えてバイン・コーチとは、以前から大坂選手に指摘されていたメンタルの弱さを克服させたという人物。錦織選手にとってのマイケル・チャンコーチの様な「チーム大坂」の最重要人物です。
大坂選手以外に、バイン氏がパートナーもしくはコーチとして務めてきた選手は、説明不要のセリーナ・ウィリアムズ選手、全豪オープンを2度制覇しているビクトリア・アザレンカ選手、ランキング1位に輝いたこともあるキャロライン・ウォズニアッキ選手。彼女たちは全て活躍、復調していますから、彼の手腕は高く評価されているもの。2018年には女子テニス協会(WTA)から年間最優秀コーチとして、表彰もされています。
狙うは、さらなるスキルアップなのか
そんな優秀なサーシャ・バイン氏が大阪選手と袂をわかった理由は、色々ととり正されています。ゲスな私、アントニオ犬助は最初、コーチとしての実績を積んだバイン氏が、法外な契約料をふっかけたのではないか?と勘ぐってしまったのですが、一説によると課題とされていたメンタル面の弱さを克服した大坂選手が、ステップアップを目指すためのコーチとしてバイン氏では不十分と判断したとか。フィジカル担当のアブドゥル・シラーコーチは続投となっているのが、少々不可解ではありますが、これが妥当な見方でしょう。
錦織選手のチャンコーチ、大坂選手のバイン氏。テニスのコーチとは技術、メンタル両面において選手をスキルアップし、支える存在。バイン氏と分かれた途端に、大坂選手がドバイ・テニス選手権を1回戦で敗退したことを見て、不在の影響を勘ぐってしまうほど、その存在は大きいのです。