競馬界の一大年末イベントで健闘したオジュウチョウサン
- 2018/12/29
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クリスマスを前に行われた有馬記念
2018年は12月23日に行われたグランプリ有馬記念。クリスマスイブのさらに前の日程ということもあって、「今年も終った感」に欠けるきらいはありますが、終ったものは終ったということで、総括してみましょう。
今年の目玉は、ナントいっても武豊を鞍上にハードル界から参戦したオジュウチョウサンでした。有馬記念くらいしか買わないというファンには馴染みが薄いでしょう。このオジュウチョウサンは、現在の日本の障害レースの分野では絶対的な強さを示し続けている王者と呼ぶべき存在です。
有馬記念の前日に行われた障害界の大一番、中山大障害ではオジュウチョウサンに負け続けている馬が人気を集める状態になりました。オジュウチョウサンが有馬記念に「出張」している隙なら勝てるだろうとのファンの思いを乗せた1番人気のアップトゥデイトは、なんと、普通の障害で落馬してしまうという運のなさ。
一方、中山大障害を制したのは、オジュウチョウサンとのコンビで、このレースを含む障害G1を5連覇中の石神騎手が操る3番人気のニホンピロバロンでした。これで石神騎手はオジュウチョウサンがいなくても障害G1を6連覇したことになります。
さて、嫌らしい話ですが、中山大障害に勝つと得られる第1着本賞金は6600万円です。一方、日本競馬の総決算ともいえる有馬記念の第1着本賞金は3億円ですから、桁が違います。仮に勝てなくても2着で1億2000万円、3着でも7500万円と中山大障害の優勝を上回ります。4着だと4500万円ですから下回ってしまいます。しかし、オジュウチョウサンはお金のために走ったわけではありません。
日本の障害界を代表するトップホースが平地G1、それも最高峰のグランプリでどこまで通用するかを試すための挑戦だったのです。結果は9着と金銭的には「大損」ともいえるものでしたが、残した成果は大きいものでした。
大健闘のオジュウチョウサン
有馬記念に出走したメンバーを考えれば、ここでの9着はオジュウチョウサンが平地の重賞戦線でも上位に位置する実力を持っていることを推察させるものです。
負かした相手は、2年前のダービー場マカヒキ、ジャパンカップ5着のミッキースワロー、凱旋門賞に挑戦したクリンチャー、G2を2勝して好調のパフォーマプロミスなどなかなかの好メンバーでした。
しかも、ただ付いて回るだけの9着ではなく、果敢に先行態勢をとり、最後の直線ではあわやと思わせる見せ場十分のレースをしています。前に行った馬には不利ともいえる状況の中で、最後に交わされながらも粘りに粘り、タイム差は0.8秒ですから立派という以外にありません。
忘れられている部分もあるでしょうが、オジュウチョウサンは平地では収得賞金が1100万円しかないかろうじて準オープンクラスの条件馬であり、もっとも条件の高いレースでも、1000万円以下特別を勝っているだけの馬です。到底、G1で好勝負できるポジションの馬ではありません。しかし、そこら辺の条件馬とは中身が違ったのです。
これで、重賞のひとつくらいステップにしていれば、もっと上の着があったのではないかと思わせる内容でした。
レース自体は、3番人気のブラストワンピースが勝ち、1番人気レイデオロが2着、3着には9番人気のシュヴァルグランが入ってちょっとした波乱になったものの、この馬が9番人気は人気なさ過ぎというべきでしょう。普通に考えればここは馬券圏内が順当な馬です。
さて、このあと来年のオジュウチョウサンはどこへ向かうのかに興味が沸くところです。その前に、中央年間211勝をマークしたルメールが、最終日の28日で武豊の212勝に並び、抜くのかが焦点となってきました。この日、ルメールが騎乗できるのは最大で10鞍です。最後まで目が離せません。
こうして、スポーツ性にも注目が集まるようになった競馬。未来は少しだけ明るくなったといえるでしょう。