まだまだ知られきっていないツアーファイナル

世界のトップを決めるテニス大会に、4大大会があるのは知られていました。
それはウインブルドン、全米、全仏、全豪の4つです。
ところが、錦織圭が世界のトップランカーに入ってから一般の人にも知られるようになった大会があります。
それが「ツアーファイナル」と呼ばれるもので、その年の成績によるランキングでトップ8に入った選手だけが参加できるものです。
さすがに日本人には全く関係のないレベルでしたので、誰も取り上げようともしなかったものだったのです。
その大会の実態が錦織選手のおかげで、ウインブルドン以上にこんな大会もあったのかと日本人にも知られるようになりました。
しかし、その凄さは単にハイレベルな選手に特化した大会と言うだけではありません。
最初は出場した錦織選手さえ驚きに満ち溢れたその大会の実態を明らかにしてみましょう。

・男子シングルスだけの大会でも無かった
言われてみれば当然ではありますが、テニスは女子の大会もありますので、ツアーファイナルは女子でも行われています。
それが現実に知られるようになったのは、つい最近の大坂なおみ選手のおかげでもあります。
女子の場合は女子選手ならではの高級ブランドによるファッションショーのようなことも行われていたようで、男子よりもさらに華やかな気もしました。
また、考えてみればシングルスに比較して地味に扱われているダブルス部門の大会も行われているのではないかと思えば、その通り行われていたのです。
次は日本人のダブルスでツアーファイナルに出場できる選手が登場してもらいたいものです。
そうでもなければ、なかなか認知されづらいのが現状でしょう。

選手の扱いが凄い

・待遇のVIPぶり
まさにテニス界の神様が勢揃いしたと言う設定になっています。
宿泊は5つ星超高級ホテルの1泊100万円クラスのスイートルームです。
送迎用に運転手付きの1,000万円クラスのベンツ、アルマーニの80万円クラスのオーダーメードスーツも用意されています。
個人のネーミングの入った小物も用意されていたりしますので、ちょっとした王様気分になることでしょう。
勝てば勝つほどハードにしかならない1年間のテニス大会の日程をこなして来ただけの恩恵がそこに与えられると言う仕組みなのです。

・スポンサーのビッグぶり
これだけの待遇をするベンツやロレックス、フェデックスなどの高級ブランド、高級ホテルも大会のスポンサーになっています。
スポーツ界のトップイベントに参加することで、自社の存在感を高め、宣伝効果も期待していることでしょう。

取り巻くお金が凄い

・賞金の破格ぶり
賞金総額は約7億5,000万円、無敗で優勝すれば約2億7,000万円、出場する8人全員にもれなく約1,800万円とされています。
リーグ戦で1勝する毎に勝利給として約1,800万円が支給されます。
この他、出場者以外にとにかく8人いなければ大会が進行しないため、補欠として1名が開催地に呼ばれています。
それだけでもしも結局、何もしなくても約1,000万円が転がり込んでくるのです。
まさにお金をばらまいているような大会ではありませんか。
こんな大会に錦織選手は2018年も年間ランキング9位ながらデルポトロ選手の欠場で幸運にも4度目の出場が決まりました。
努力の成果とは言え、彼の懐具合にため息が出そうなのは誰でも仕方ありません。

・収入の破格ぶり
破格の賞金を支えているのは、チケット収入の破格さにあります。
チケット代は席により差がありますが、概算で平均10万円くらいもします。
それでも約2万席あるとされていますので、1試合でもざっと20億円の計算になります。
大会は4人ずつ2組のリーグ戦が行われ、上位2名によるトーナメントで優勝が争われます。
よって全部で15試合になりますので、合計で300億円にもなるのですから、破格の賞金も小さく見えてしまいます。