突然、続々、誕生、マラソンの日本新記録、そのニンジン作戦ってどうなの?
- 2018/11/01
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長期低迷しているマラソン界に光が
世界のトップレベルではアフリカ人が賞金を目当てに本気になってトレーニングをしてきた結果、驚くべき記録更新が続いています。
かつては2時間10分を切れば世界で戦える選手としてもてはやされた時代もあったのが、遥か昔のようにも感じられます。
今や大台の2時間を切るのはいつになるのかに期待されている時代になったのです。
そんな中、男子マラソンの日本記録は2002年に高岡寿成が出した2時間6分16秒で止まったままでした。
随分、長い間、日本人ではこれが限界ではないかと誰もが思っていたものです。
そこで日本新記録を出せば選手に1億円、指導者にも5,000万円を支給することにしました。
企画したのは日本陸連ではありませんで、その傘下にある日本実業団陸上競技連合なる任意団体です。
それが早速、2月の東京マラソンで設楽悠太が2時間6分11秒、10月のシカゴマラソンで大迫傑が2時間5分50秒と着実に成果を出したのです。
これで「なんだ、日本人もまだまだやればできるんだ」と、誇らしげに感じる国民的効果もあったでしょう。
マラソンはオリンピックのフィナーレを飾るメインスポーツですので、資金を投じるのも理解はできます。
来たる東京オリンピックを前にして、マラソン界の危機感が日本人にはとても泥臭く感じるくらいの手段に打って出たのです。
オリンピックもアマチュアの世界では無くなりましたが、このような強化策がまかり通るのはどうなのか、古い世代には俄かに馴染みづらいのではないでしょうか。
その効果と問題点について考えてみましょう。
1億円の凄さ
マラソンも世界各地で賞金レースとなってプロ化されていますが、その賞金を聞けばいかに1億円が大金なのかがわかります。
マラソンで世界で最も高い優勝賞金はドバイマラソンの25万ドルですので、大体3,000万円くらいになります。
日本で最も高い優勝賞金は東京マラソンの800万円です。
ここで大会記録を更新すれば300万円、日本記録を更新すれば500万円、もしも世界記録を更新すれば3,000万円が出されます。
一回の走りで得られる賞金はどんなに高くても3,000万円レベルでしかないのですから、1億円の破格さは目立ったものと言えるでしょう。
日本人に生まれたばかりに、マラソンでもジャンボ宝くじ並みの一攫千金の機会が与えられた訳です。
これほどのせっかくの恩恵を授からない手は無いと、日本記録に集中してトレーニングに励むのも当然であることがわかります。
賞金による問題点
・アフリカ人が帰化してくる可能性
アフリカのトップ選手であれば、日本記録を更新する記録を出すのはそれほど難しくはなくなっています。
それでも1億円が手に入る訳ですから、日本人に帰化してしまえば良いと言う考えも浮かび上がるかもしれません。
これでは東京オリンピックのマラソンでメダルを取ったとしても、アフリカ人であれば喜びも半減です。
・資金はあるのか
さらに日本記録を大幅に更新するのではなく、小出しに更新すれば何度も1億円がもらえると言うプランまで浮かび上がります。
これらはルール違反ではありませんので、止めようもありません。
日本実業団陸上競技連合などに、どこまでも資金があるものとは思えません。
おそらく一定の想定した限度内の予算しか無いはずですので、出せなくなった場合のこともあります。
既に2度の支払いを余儀なくされて嬉しい悲鳴が聞こえそうですが、それも今の内かもしれません。
・ドーピング
日本人には関係ない問題とされていたドーピングも、この頃ではそうでもなくなっています。
意識しながらも検査にかからない際どい成分が入っている薬に頼ることも考えられます。
それが検査に引っかかったりすると、たちまち選手生命も無くなってしまうこともあるのです。