これがスポーツなのかと話題になったアジア大会のブリッジ
- 2018/09/08
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最高齢選手は85歳
先日閉幕した2018ジャカルタ・パレンバンアジア大会。その数ある競技の中で、局地的に話題を集めていたのが「ブリッジ」です。何しろ、参加選手の最高齢は85歳ということで、もう、普通のスポーツの概念を超えています。スポーツの国際大会ですからね。
さて、ブリッジと聞けば、トランプのゲームを思い浮かべるオヤジもいることでしょう。しかし、アジア大会といえばスポーツの大会です。名前が同じだけで、まったく異なるスポーツがあるのだろうと考えたオヤジは少なくないはず。
ところが、ブリッジの中身を見て驚き。なんと、トランプを使っているではありませんか。トランプって、スポーツだったの?
たしかに、トランプなどの頭脳を使った競技は「マインドスポーツ」「頭脳スポーツ」などとも呼ばれています。しかし、一般的なスポーツの定義からすれば、これがスポーツなのかと思うのも無理のないことでしょう。
なにしろ、参加する選手は動きません。道具を投げるわけでもありません。遠隔地に作用させることもありません。そう、純粋にテーブルゲームなのです。
ちなみに、日本海軍の連合艦隊司令長官だった山本五十六大将がブリッジ好きだったという話は昔からあります。英米の海軍高級将校を相手にポーカーやブリッジを戦っていたのだとすれば、スポーツどころの騒ぎではないのかもしれません。
さて、日本代表選手に目を転じますと、選手団の最高齢73歳の中尾選手がインドネシアの地に乗り込んでいます。老練な技といては失礼かもしれませんが、若僧には真似のできない味のあるプレイで外国勢に挑んだようです。
中尾さんは女子選手として混合ペア戦に出場しており、タッグを組んだ男子選手は27歳の瀬下選手で、年齢だけみれば孫のような差があります。これほどの年齢差があっても戦えるのがブリッジのよいところでしょうか。結果は11位でしたが、今後に期待しましょう。
オリンピックでも是非ブリッジを
このブリッジは、コントラクトブリッジと呼ばれる種目で、世界中で親しまれていることから、大会に取り入れやすかった面があるようです。
しかし、ブリッジがスポーツなら、将棋もスポーツだろうにと思うのが人情といえます。そうすると、羽生さんや藤井七段あたりが外国勢とメダルをかけて戦う姿が浮かんできます。
そんな光景が現実のものとなれば嬉しいですね。とはいえ、海外での普及度合いが問題となるのでしょう。また、時間がかかりすぎるというネックもあります。スポーツ大会用にアレンジした種目を作るという手もありますが、柔道がジュードーになったどころの変わりようではなくなりそうです。
ただし、過去のアジア大会では囲碁が採用されたことがあり、チェスも戦われています。まず、2006年にチェスが、2010年には囲碁が採用され、日本選手は囲碁の男子団体で銅メダルを獲得。
いずれにしても、アジア大会でブリッジまでもが堂々のスポーツ大会入りを果たしたわけですから、ブリッジのみならず囲碁やチェス、将棋だってオリンピック種目になることを目指せるかもしれません。さらに、その他の「文科系」種目がアジア大会やオリンピックに参入する道もありそうです。
自分は運動音痴だからスポーツは無理と思っているオヤジも、これからはマインドスポーツ選手になれるかも。マインドスポーツといえば、チェスやブリッジ、囲碁はマインドスポーツの国際大会で実施された実績がありますが、将棋はないようです。海外では囲碁のほうが圧倒的に普及しているといえるでしょう。
最後に、ひとつ悲しいお知らせがあります。集中力を高め、頭脳をフル回転させて戦うマインドスポーツでは、観客の声援は邪魔でしかないともいわれています。そのため、オリンピックで採用され、オリンピック選手になったとしても、大観衆の前で晴れ舞台をというわけにはいかない可能盛大です。無観客試合が当たり前になると考えておきましょう。