ボクシングの試合がラスベガスで行われる理由は?
- 2018/06/26
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ボクシングの聖地はMSGからラスベガスへ!!
日本のボクシング、そして格闘技の聖地といえばいうまでもなく「後楽園ホール」なのです。これが海外ならば、どこに当たるのか?オールドファンの口からはニューヨークの「マジソン・スクエア・ガーデン」の名前があがると思うのですが、それは1980年代のころまで。
ボブ・バックランドが帝王として君臨し、日本中の学生がマジソンバッグをたずさえていたころまで……まあ、最近でもタイトルマッチは多数おこなわれていますけれどね。
そんなMSGに代わって新しいボクシングの聖地となったのは、何といってもラスベガスの「MGMグランド・ガーデン・アリーナ」。
90年代にはマイク・タイソンがホリフィールドの耳を噛みちぎり……それ以降もデラ・ホーヤやメイウェザー、パッキャオら数々のスターたちが熱戦を繰り広げたのは、決まってMGMグランド。日本人でもミドル級の石田順裕氏や、スーパーバンタム級の西岡利晃氏がこのリングに上がっています。
また2016年には、「T-モバイル・アリーナ」なる新しい会場もラスベガスに完成。これからも、ラスベガスでおこなわれるボクシングの試合は増える一方なのでしょう。
ラスベガスがボクシングの試合を誘致する理由
なぜ、ラスベガスでボクシングの試合が数多くおこなわれるのか?
その最も大きな理由は、ホテルやカジノ側が誘致しているからということができます。一説によると1回のビック・マッチの興行により、増加するカジノ収益は4,000~6,000万ドルとか。 MGMグランドのキャパは1万6,800人と、それ自体は大したことがないものの、集まってくる客層は富裕層ばかり。2015年のメイウェザーvsパッキャオの世界戦のチケット料金は、4,000〜7万ドルだったにもかかわらず、15分で完売させてしまうような人たちですから、ボクシングの試合にはとんでもない金持ちが押し寄せてくるのです。
そんな人たちがラスベガスまで来た以上、ボクシングの試合を見るだけでは済まないのは当然。先述のカジノでも大金を落とすでしょうし、ホテルの客室もスイートクラス、レストランでももう大変……経済効果が非常に大きい!!となれば、ボクシングの試合を誘致したくなるのも当然といえるでしょう。
一方のニューヨークならば、ボクシングの試合がおこなわれるといっても観客が住んでいるのは会場の近くだったりしますし、カジノもありませんから、ラスベガスほどの経済効果は見込めない。となれば、誘致するのに力が入らなくなるのもうなずけるものです。
加えて興行側にとってニューヨークが不利なのは、ファイトマネーに「ニューヨーク州税」がかかるという点。とりわけマニー・パッキャオはこの州税を嫌い、ニューヨークでは絶対に試合をしないとコメントしたといいます。
ラスベガスとボクシングの相性は上々
加えてカジノとボクシングの相性が良い、という点もあげられるでしょう。
日本ではもちろん禁止されていますが、海外ではボクシングといえば賭けの対象。ドナルド・トランプ・アメリカ大統領が、タイソンvsホリフィールド戦でホリフィールドに100万ドルを賭けて大勝したという逸話の例をひくまでもなく、ボクシングが賭事であるのは非常にポピュラーなこと。カジノと相性が悪いわけがありません。
加えてカジノもボクシングも、男子の闘争本能に訴えかけるという点では共通するもの。
「ボクシング・ファン=バクチ好き」という図式がカンタンに思い浮かびますから、カジノとボクシングは相性が非常に良いのです。
村田諒太選手がMGMと契約と、いうことは?
他にも80〜90年代にかけて全盛期だったプロモーター、ドン・キング氏や、80年代から現在まで敏腕を振るい続けるプロモーター、ボブ・アラム氏が数多くラスベガスで試合をおこなってきたというのもあるでしょう。
これにはニューヨークを中心に活動していた、古参のプロモーターたちの間隙をぬうという意味合いもあったと思います。加えてアラム氏はヒスパニック系のボクサーを数多く配下に抱えヒスパニック人口が多い南西部で数多く試合をプロモートした結果、ラスベガスにたどり着いたというのもあるでしょう。
そして、何といっても「ラスベガス」という言葉が持つムードが、ボクシングの試合とマッチしていると思いませんか?華やかさとか、欲望とか、黒い悪巧みとか……ね。
そんなこんなで、ボクシングの試合はラスベガスでおこなわれています。
そういえば、村田諒太選手が今年の春にMGMグランドアリーナを所有するMGMとスポンサー契約を結びましたね。彼がラスベガスの地で活躍する姿を楽しみに待ちたいと思います。