今年まだまだ都市部がドカ雪に襲われる?これだけの理由
- 2018/02/21
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人ごとではない37年ぶりの北陸豪雪
久しぶりにニュースで聞いた「陸の孤島」というフレーズ。
温暖化激しい平成の時代に、こんなに簡単に1メートル以上の豪雪が降り、しかも大規模に都市機能がマヒするなどと、昨秋誰が予想しただろうか。
東京の都市機能をマヒさせようと思ったら、敵は雪を待つだけでいい。
そんな作戦もまかり通りそうなくらい、雪は日本の中枢の一大弱点だ。
いや、これだから自然災害は怖い。いつどこでなにがあっても、決して「想定外」で済ませられる話ではない。
とくに年々「平均気温そのものが高くなる」傾向にあって、寒さへの対策がおろそかになっていた、そんなことはないだろうか。
今年も冬はまだ終わっていないのである。
今度は「カミ雪」の来襲に備えよ
2月、そして3月ともなると、冬型の気圧配置が強まって降る日本海側の「寒い雪」よりも、日本の南岸を低気圧が発達しながら進んだときの「都市部カミ雪」が怖い。
実は今回の大雪で何度も比較対象になっている「56豪雪」とか「38豪雪」など、昭和の時代の伝説的豪雪時に、北ではなく、南の海で何が起こっていたかというと、
▼黒潮の大蛇行
である。
今でこそ「黒潮大蛇行」をお天気の長期的予報要素として取り上げるメディアもあるが、実は昔から「豪雪の年にはかなりの確率で黒潮が蛇行していた」というデータがある。
最近、一番蛇行の大きかったのは2005年〜のあたりだが、振り返ると平成17年12月からの冬は、12月としては最大&記録的積雪に見舞われた地域が続出した。
でもそれって、冬に雪が降ると決まっている地方の話でしょ?
そう思った方、確かに半分は当たっている。
現に平成17年は、北国の方が雪の被害が大きかった。
しかし黒潮が蛇行している期間、都市部カミ雪に注意すべき理由は、もっと気候のメカニカルな部分に起因している。
黒潮とカミ雪の深い?関連性
南岸低気圧と黒潮:知って楽しい海の話│東京大学 海洋アライアンス
オジサンはお天気博士ではないので、詳細はHPを見ていただくとして、どうも
▼南岸低気圧の通り道は黒潮によって決められている
といっていいようなのだ。
さらに、南岸低気圧が雪を降らせるためには
▼都市部とある程度距離が離れていたほうが雪になりやすい
(低気圧は暖かい空気も持つため、近すぎると都市が冷えない)
という不思議なファクターがあり、よって
▼蛇行する黒潮に乗り、陸地からいい感じで離れて低気圧が通ると雪になりやすい
というわけだ。
たとえば、56豪雪の3年後に起きた「59豪雪」では
2月12日〜 東北南部から中国・四国
2月17日〜 関東から中国 被害大
2月23日〜 東北太平洋側
2月26日〜 東北太平洋側、関東甲信 被害大
3月14日〜 関東南部、甲信 千葉でも雪
3月19日〜 関東
これすべて、南岸低気圧の通過による「カミ雪」なのである。
そしてこの時期は、ここ50年の間で黒潮が蛇行を最も激しく繰り返していた最中でもあった。
「雪か雨か微妙です」のフレーズにもっと注意を!
カミ雪の予報はこの「雪か雨か微妙」というコメントから始まることが多い。
都市で暮らしている人には「その日は雨か雪か確率半々のギャンブル」のようにしか聞こえないかもしれないが、雪国オジサンからすれば「ああ重たいべっとりした雪が5センチ降るんだな」とだいたい見当がつく。
それで当日お天気お姉さんやレポーターが、都会の駅前でうっすら積もった雪を見てはしゃいでいるのを、こっけいに感じるのだ。
黒潮が蛇行している以上、また今年は寒気そのものが数年に一度レベルである以上、2月、3月のカミ雪に、今一度細心の注意を払ってもらいたい。
降らなければ、ホント、それにこしたことはないけれど。