オヤジからみてハロウィンってどうなんでしょうか?
- 2018/11/07
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日本人はお祭りが好きだから、だけではない
クリスマス、バレンタインデー……なぜ、日本にこれほど西洋の祭りが根付くのか。
お祭り好きな国民性だから、なんて説明されていたりしますが、果たしてそれだけなのかと、私、アントニオ犬助はいつも考えるもの。それ以上に背景にあるのは、日本人の商魂のたくましさではないでしょうか。
たとえば、バレンタインデー。このイベントのさきがけとなったのは、1950年に設立の「メリーチョコレートカムパニー」。女の子の横顔のロゴマークは誰もが一度は目にしたことがあるはず、全国に1,500もの店舗を展開する大手菓子メーカーです。
そんなメリーが最初の「バレンタインデーフェア」をおこなったのは伊勢丹新宿店の売り場にて。1958年のことで日本最初のバレンタインイベントとして記録されています。
「なぜ、バレンタインデーを祝うんだ?」とか「なぜ、チョコレートなんだ?」とか。
来日間もない西洋の人々が抱きがちなこれらの疑問は(諸説ありますが)「メリーチョコレートカムパニーが商魂たくましかったから」で説明が付くのです。
やはり商魂から始まったハロウィン
そんなバレンタインデーを抜く勢いの西洋の祭りといえば「ハロウィン」。
2016年にはバレンタインデーの市場規模1,340億円に対して1,345億円と上回り、すっかり国民的な行事となった様子。渋谷や六本木では、今年も若者たちが浮かれていましたね。
そんなハロウィン、こちらの一般化のさきがけとなったのもやっぱり老舗菓子メーカー、神戸市に本拠地を置く「モロゾフ」。ガラス製のプリン容器は関西だけでなく、日本中の家庭に広く分布していることでも知られていますね。
そんなモロゾフが最初にハロウィンの菓子を売り場に展開したのが1976年。ここでもやはり商魂のたくましさが光っています。
「いやいや、社名にもあるとおり創業者が外国人だったからじゃないの?」
なんて声も聞こえてきそうですが、モロゾフ氏はロシア人。ハロウィンは古代ケルト文化を由来としており英語圏で盛んなイベントですから、ロシア人とは縁が薄い上に1970年代にはモロゾフ氏は会社を去っている。やはり、日本人の商魂が招いていたイベントなのですね。
ちなみに先述のメリーチョコレートカムパニーの創業者はモロゾフ出身。
モロゾフは日本に在留する外国人向けに、1936年という非常に早い時期にバレンタインの広告を打った企業としても記録されています。メリーのバレンタインイベントのヒントはモロゾフから得たものかもしれません。
ウンチクを披露するのがせいぜいでしょ
その後、ハロウィンはキディランドでのグッズ販売や、ディズニーランドでの定例イベント化などを経て次第にメジャー化していくのですが、私、アントニオ犬助が間近にしたのは1990年代、客層が外国人と日本人半々だった黎明期のクラブでした。仮装をして来店した客にはドリンク無料というイベントだったのですが、当時はドンキ・ホーテもありませんでしたから、コスチュームは手作り感あふれるものばかり。
胴の部分を拡大した1枚のスエットシャツに2人で入っていた女の子が、非常にかわいかったことを覚えていますが、彼女たちもチクチクと裁縫してコスチュームを整えていたのでしょうね。
……とまあ、ハロウィンについてつらつらと語ってみましたが、結局、犬助にとってのハロウィンなんて、こんな毒にも薬にもならないウンチクを披露する場でしかないんですよね。だって、イベントに参加してみようという元気はすでにありませんし、ここぞとばかりに大騒ぎをする連中には「楽しむにしても節度というものがあるでしょ?」と、小言の一つもいいたくなるものの、オヤジは完全に部外者なのです。
そういえば、日本最初のクリスマスイベントの記録は1551年の山口県山口市、最初は純然たるミサだったといいますが、当然ですよね。そして、これに目をつけた山口市はイベントで観光客を誘致しようと躍起になっている……とまあ、ここでも商魂がたくましいことで。