店のPOPから宅配便まで!創業100周年の段ボール大手レンゴーの総合力がスゴすぎる
- 2018/04/22
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店のPOP、宅内便、箱が陳列ケースになるものなど、梱包材は経済活動の影武者でありながら、重要なインフレの1つでもある。
近年まで、主役が中身の商品と見なされ、副資材である梱包の地位は低かったが、そんな状況を変えたのが、業界最大手のレンゴーだ。
段ボールってそんなに重要?でもってレンゴーなんて会社聞いた事ないんすけど?というオヤジの為に、私たちの生活が梱包材なしでは成り立たない事から説明しよう。
段ボール市場は格差社会
段ボール市場は、’16年度末で、国内シェア1兆2875億に上り、年1%と微力ながら成長をつづけている。
会社の形態は、下記の4つに分類される格差社会だ。
1:古紙回収業者(1900社)
2:段ボール厚紙製造業者(25社)
3:段ボールシートの製造業者(200社)
4:段ボールシートを他社から購入し、組み立てて販売する会社(2100社)
レンゴーの強みは、1以外を全て自社で賄える所にある。
’99年に、厚紙製造会社・セッツと合併した事により可能になり、’00年に住友商事から社長に就任した大坪氏は、
段ボールは、発注された分だけ作るという新しい考えを打ち出した。
余剰を作るのが当たり前と言われてきた段ボールを余らず、企業から受注を受けた分だけ作り、古紙のリサイクルに取り組みつつ、工場のエネルギー効率もあげるという取り組みもみせた。
その結果、’16年度末の売上高は、過去最高の5300億円。
工場は日本では、北海道から九州まで25か所。
海外では中国やマレーシアにも製造拠点を置き、従業員は14000人に上る、運動業の影武者だ。
では段ボールという名称は何処から来たのだろうか。
段ボールの名前の由来って?
段ボールは、1909年(明治42年)東京で創業者の井上貞治郎氏により生み出された。
割れやすい電球やホヤを包む事が目的だったという。
名前の由来は、素材のボール紙(砕木パルプに藁や古紙を混ぜ、厚くすいたもの)を波型にして、強度をもたせた事だったという。
1936年に、一貫生産できる工場を、大阪市福島区に開設。
戦後の高度経済成長期を境に、家電・家具が売れ、国民が都会に働きに出る様になり、梱包材の需要は必然的に高まった。
1972年に、井上氏は社名を聯合製紙からレンゴーに改め、会社も波に乗ってきたが、バブル崩壊後、家電や家具が一気に売れなくなる。
段ボール市場も、一気に売上がガタおちするかに見えたが、姿を変えて復活した。それは何か?
ニッチかつ、オシャレな路線がこれからはウケる
レンゴーをはじめとした、段ボール業界が次に目を付けたのが、欧州では’05年から採用されていた、『シェルフ・レディ・パッケージ(SRP)』である。
スーパーにビールのカラフルな箱が並んで陳列されているのを思い出してほしい。
スポーツドリンクが、カートンのまま並んでいるのもそうだ。
運ぶ+並ぶ+売れる+箱撤収の4点セットで、在庫管理もしやすく、商品管理、片付けもしやすい。
ステープラーで閉じていないので、指でひっかけて開けるだけという、お手軽さが手間暇を省けていいと、陳列担当者から引っ張りだことなっている。
レンゴーも、『レンゴー・スマート・ディスプレイ・パッケージ(RSDP)』と名付け、生鮮食品、宅急便、引っ越しまでこれらのサービスを提供している。
特に威力を発揮したのが、楽天やアマゾンなどネット通販市場だ。
梱包サイズにうるさい宅配便に、受け入れられたとなれば、鬼に金棒である。
レンゴーの成功に黙っていないのが製紙業界だろう。
製紙業界はシェアの8割を王子HDが握っている。
それに続くのが、セルロース・ナノ・ファイバー(CNF)を開発した日本紙、続いて特殊加工の紙で知られる、特殊東海である。
’17年に、特殊東海と日本紙は、技術提供し、本格的に段ボール市場に乗り込むと発表した。
彼らが狙うのは、化粧品POPや、SRPである。
特殊技術加工や、パルプや古紙以外から紙を取り出せる技術を生かして段ボール市場に乗り込もうとしているのだ。
迎え撃つレンゴーも、黙って居ないだろう。
レンゴーは、これから先、東南アジア拠点を視野に入れて製造を拡大していく見通しだという。
物流の影武者である段ボール戦争ははじまったばかりといえるだろう。