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駅前の小さな宝くじ売り場の売り子さんは何でおばあちゃんばかりなのか!

  • 2018/03/12
  • ライフスタイル・娯楽
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  • アントニオ犬助
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どうにも不思議な「宝くじブース」

どうにも不思議な「宝くじブース」

「高津の富」、落語の演目にもありますが「富くじ」つまり、江戸時代から盛んにおこなわれてきた宝くじは今も昔も変わらぬ夢。当たるはずもないのに、サマージャンボや年末ジャンボの時期などは、街の宝くじの販売所に列を作ったりしています。

そんな宝くじの販売所、最近では「チャンスセンター」なんて呼ばれている物がある一方で、昔からあるのが駅前などによくある宝くじ「販売ブース」、ブリキ製の電話ボックスのようなたたずまいで歩道に存在しているアレなんですが、実に不思議だと思いませんか?
1畳ほどの狭いスペースの中で宝くじを販売しているのは、大抵おばあちゃんなのです。
これって、なぜなのでしょうか? 少し考えてみました。

 

宝くじの販売自体が、個人が営むには難しい

宝くじの販売自体が、個人が営むには難しい

まず考えられるのは「宝くじの販売という商売を始めた結果、おばあちゃんになってしまった」というもの。

そもそも新規参入のハードルが高いのが、宝くじの販売。
例えば宝くじの仕入れ、こちらは全て現金決済、現金と引換でなければ仕入れることができません。加えて低額の当選金については、その場で払い戻さなければいけませんから、ある程度のまとまった金額がなければ、商売を始めることができないのです。

加えて必要となってくるのが宝くじの胴元である、みずほ銀行の信用調査。
決算書や青色申告書、納税証明書などなど提出書類も多岐にわたるといいますから、こちらもカンタンではありません。
しかし、恐らくですが……昔はタバコ屋の兼業として販売されるほどには、宝くじを販売する資格の獲得は緩かったはず。しかし現代に、新規参入するとなると、そうはいかないという。ですから、新規オープンするチャンスセンターこそあれど、販売ブースは見かけない。

資格が緩かった時代に宝くじの販売を始めた販売ブースのお姉さんは、新規参入もなく、世代交代もないままに、おばあちゃんになってしまったということではないでしょうか?

 

新規参入が難しいから、新陳代謝が進まない

新規参入を阻んでいるのは、それだけではありません。
あの宝くじブースは職業分類上は「3号許可行為」。露天商や屋台と同じ、所轄の警察署の道路使用許可が必要となります。

これだけならば、どうってことなさそうですが、加えて必要になると予想されるのが各地にあるという「露天商組合」への加盟。犬助はそちらの方面には疎いので、以下は推測となりますが……いわば既得権益で成り立っている業界だけに、なかなか新規参入を認めてくれないのではないか? という話。
誰にも断りを入れずに、宝くじブースを始めたとしたならば「いったい、誰に断って、ここで商売やってやがるんでぃ!!」という、怖いお兄さんたちがやってこないとも限らないということです。加えて、近隣の商店などにも断りを入れなければならない。
ね、今から始めようとしても、なかなか難しそうでしょ?

若いころにまとまった現金を用意して、宝くじ販売の審査にも通り、露天商組合にも加盟して……という、難しいハードルを越えて商売を始めた結果、現在は「おばあちゃん」になってしまった。そして、新規参入も難しいのです。

 

既得権益ではあるものの、美味しい商売ではない

新規参入が難しいということは、宝くじを販売できるというのは一種の既得権益です。
ならば、おばあちゃんからおばさん、そしてお姉ちゃんへと受け継がれていかないのか? というと、理由は受け継いでいくほど美味しい商売ではないからです。

販売ブースにしても、チャンスセンターにしても、宝くじを販売している人たちの収入は販売手数料のみなのですが、どの程度の儲けがあるのかざっと調べてみました。

総務省「宝くじ受託業務について」(平成22年)によると、
この販売手数料、100円くじだと9.45%、500円くじだと4.725%といった具合に宝くじの額面によって粗利率が変わってくるのですが、平均すると7.39%。
1枚300円の宝くじを売っても22円しか儲からないという計算になります。

また、同じ資料に載っている、平成20年度の宝くじ手数料の合計をみると769億5,900万円、これを全国の宝くじ売り場数である、1万6,999カ所で割ると、1カ所当たりの平均粗利は約453万円!! といっても、もちろんこれが丸々儲けになるはずがありません。

ここから、当選券照合機のリース料が月々3~5万円かかる。ナンバーズやロト6などを発券するための機械のリース料も月々6万円ずつかかるといいますので、これらを合計すると、年間200万円強かかってしまう。
加えて露天商ですから地代家賃も必要になるはずですし、露天商組合費も納めなくてはなりません。
となると手元に残るのは……まあ、次の世代に引き継ぐほどの、美味しい商売ではないということがわかるでしょう。結果、残るのはおばあちゃんだけ、ということになります。

 

他にも、スペース的な問題も!!

他にも、スペース的な問題も!

後は、畳1畳ほどの宝くじ販売ブースには、おばあちゃんが入れるスペースしかないというのもあります。
あのブースの中に何が入っているのか? 商品としての宝くじ、売上金やつり銭、払戻金をしまっておく金庫、当選券照合機、ナンバーズなどの発券機、これらを動かすためのバッテリ、クーラーはともかく電気ストーブぐらいはあるかもしれない……つまり、結構な量の商売道具といっしょに、あの小さなブースの中に納まっているということ。
つまり、小柄なおばあちゃんじゃないと物理的にブースに入れない、つまり商売にならないという理由もあるのでしょう。

……何だか、色々と調べてみると、宝くじ販売ブースが絶滅危惧種のように感じてきましたね。でも、ことさらに保護すべき存在でもないような気もしますし……今度は、あのブースから宝くじを買ってみようかなと思いました。

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アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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