貧困の影がすぐそこに!! 中高年の格差はどこまで広がるのか?
- 2018/01/27
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好景気の恩恵を受けられないという、格差
「大発会、一時600円超高」
2018年最初の取引となる1月4日、東京株式市場では日経平均株価が26年ぶりに大幅に上昇。一時、600円を超える上げ幅を記録しました。東証1部に上場している銘柄の8割の株価があがったというのですから、明らかに日本の景気は回復している!! アベノミクス万歳!! と、喜びたいところなのですが、いかんせん問題はそれが実感できないところ。
「大体、株なんてやってないし」という人がほとんどでしょうし、実際に収入が上がったわけでもなければ、周りで上がったという話も聞かない。
有効求人倍率が上がっているようですが、ロクな求人もないという……実にパッとしないのです。
「本当に景気が回復しているのか?」
そんな猜疑心を持って世の中を見ていると心が曇ってくるようで……。
頭をよぎるのは「誰かが上手くやっているに違いない」というフレーズ、誰かが儲けているに違いない!! 株式を所有しているか否か、これが格差というものか? などと考えてしまうのです。
「アラフォー・クライシス」そして「下流老人」
そんな格差を表すような番組「クローズアップ現代+」が放送されたのは昨年の末。
現在、30代後半から40代前半を迎えた就職氷河期世代を取り上げた「アラフォー・クライシス」特集です。
番組の中では思うように就職できなかったため転職を繰り返し結果、昇進・昇給が思うようにいかないとか、非正規雇用のままアラフォーになった上に、親の介護まで抱え込むといった悲惨な事例を取り上げていました。
アラフォー・クライシスが中年の格差ならば、高齢者の格差も見過ごせません。
以前「ヤジアップ!」でも取り上げたのが「下流老人」の問題。こちらは生活保護を受けているのと変わらない水準で暮らす、もしくはその恐れがある高齢者のこと。
こんな下流老人の定義に当てはまる人は、国内に6~700万人もいるとされているのですが、その一方で高齢者世帯の貯蓄在高は平均で2,500万円という話もあります。
格差なんぞは、ずーっとあるんだから!!
以上で3つの格差について取り上げました。
1つ目は「ごく一部の富裕層が景気回復の恩恵を独り占めすることで」、2つ目は「就職に失敗したアラフォー世代が負け組みになることで」、3つ目は「下流老人となることで」、格差が生まれてしまっているということです。
しかし、ここで考えなくてはいけないのは格差社会となったのは今に始まったことなのか? ということです。
格差社会が問題になったのは2006年、流行語大賞のランキングにも入りましたし、「ジニ係数」なる言葉も当時よく耳にしたはずなのですが、いつの間にかフェードアウトしてしまいました。
その理由は、いうほどジニ係数が右肩上がりにはなっていなかったし、主要各国との比較で見ても日本のジニ係数は大きくはなかったから。
例えば、高度成長真っ只中の1972年のジニ係数は0.314、格差が話題になった2006年は0.387……ね、それほど変わらないでしょ? そして、ジニ係数をOECD加盟国で見てみると日本は35の国の中で14位、まあ高い部類ではありますが大騒ぎするほどではないと気がついたからです。
「いやいや、昔は1億総中流社会っていっただろ?」という声もあるかもしれませんが、先述の1972年のジニ係数でも分かる通り、当たり前ですが当時のジニ係数も0ではなかった。
理想的な共産主義の国でもないのですから、当時から格差はあったのです。
ですから、1つ目の格差「ごく一部の富裕層が景気回復の恩恵を独り占めしている」ということについての答えは「何を今さら!!」。そんなものはずーっと存在していることで、今に始まったことではないのです。
最も大切なのは、足るを知ること!!
さて、問題は2番目と3番目。
「就職に失敗したアラフォー世代が負組みになっていること」と、「下流老人に陥ってしまう恐れがあること」。これらについては、各個人の自助努力による!! としか、言い様がありません。
収入が低い仕事にしかありつけない、というならば副業に精を出すとか、収入が低くても可能なライフスタイルを選択するとか。下流老人になりそうというならば、保険に加入してそのリスクを可能な限り排除するとか、打つ手はいくらでもあるのです。
打つべき手を打たずして格差に苛まれているといっても、これは自己責任以外の何物でもないのです。
そして、全てのケースで最も大切なことは格差があるのは当然だと受け入れること。
自身のできる範囲で満足がいく様に、自身をコントロールすることだと思うのです。昔からいいましたよね? 「足るを知る」ということなのです。