公安調査庁と公安警察の違いって何?気になる仕事内容とは
- 2017/11/10
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公安調査庁と公安警察
日本の小説やドラマを見ていると「公安」という言葉を聞くことがあります。しかし、「公安」を身近に感じることはないのではないでしょうか。また、「公安」と言っても日本には公安調査庁と公安警察があります。同じ組織に聞こえますが、公安調査庁と公安警察は別組織です。そこで今回は、公安調査庁と公安警察の違いや仕事内容について紹介していきます。
公安調査庁とは?
公安調査庁とは法務省の外局であり、日本の情報機関・治安機関のひとつです。破壊活動防止法や無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づいて、公共の安全の確保を任務としています。国内の組織のみならず、国際テロや周辺諸国の動向などの情報を収集して分析を行っています。1952年に破壊活動防止法の施行にともなって、公安調査庁は設置されました。
公安警察とは?
公安警察とは警察であり、警察庁と都道府県警察の公安部門に所属している警察のことです。つまり、あくまでも公安警察は警察の一部門なのです。そのため、逮捕権や強制捜査権なども公安警察は持っています。公安警察は国家に対する反社会活動の予防と取り締まりが任務になります。公安警察は、公共の安全と秩序の維持を目的にしているのです。公安警察は戦時中に存在した特別高等警察の流れを汲んでいるとされています。GHQによって特別高等警察が廃止されたので、代わりになる組織として公安警察が組織されたのです。ちなみに、公安警察は警察の中でもエリートとみなされる傾向があります。それだけ警察の中でも優秀な人材が公安警察になるようです。
公安調査庁と公安警察の違いは?
大きな違いは組織です。公安調査庁は法務省の外局であり、公安警察は警察の一部門です。そのため、組織的な成り立ちも全然違うことになります。また、逮捕権や強制捜査権の有無も大きな違いです。公安警察は警察である以上、逮捕権や強制捜査権があります。しかし、公安調査庁は逮捕権や強制捜査権を持っていません。似ている部分があるのは事実ですが、公安調査庁と公安警察は全然違うのです。
それぞれの仕事内容とは?
公安調査庁の仕事は暴力主義的破壊行動を行う危険のある団体や無差別大量殺人行為を行った団体などの調査や規制に関する審査を行います。審査の結果、団体の活動制限や解散指定の請求などを行うのです。他にも日本の安全に関わる情報の収集・分析を行っています。一方で、公安警察は国家体制を脅かすような事案に対応するのが仕事です。国内の危険思想を持つ団体や国外のテロリズムに対して捜査や情報収集を行います。警察なので逮捕権を持っており、法令違反があれば逮捕まで行うことができます。公安調査庁と公安警察はそれぞれ違う組織ですが、それぞれ国家の治安維持のために活躍しているのです。仕事の中には、日本は遅れていると言われている諜報活動も含まれています。身近に感じることはない公安調査庁と公安警察ですが、日本のために一所懸命働いているのです。