日本に多い名前「佐藤」と「鈴木」のルーツを探る
- 2017/08/14
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日本の名前ランキング1位佐藤さん
日本の名前、日本人の名字ランキングでトップが佐藤さんだというのは結構知られている事実です。鈴木さんや田中さんも代表的な名字ですね。公的書類の記入例でお馴染みの「山田太郎さん」や「山田花子さん」の山田氏は、ランキング的にはトップ10に入っていません。
さて、ランキングトップの佐藤さんですが、なぜ「佐藤」となったのか、そのルーツを探ります。人口的にも200万人クラスと堂々たる位置を占める佐藤さんですが、分布でいえば東北に多いとされており、50万人程度が住んでいます。
そもそも、日本において佐藤さんなど「藤」の付く名字は、元をただせば藤原から来ているとされています。藤原氏は、飛鳥時代に大化の改新の中心的役割を果たした中臣鎌足が、中大兄皇子改め天智天皇から与えられた姓として有名です。佐藤さんの源流は平安時代に活躍した藤原秀郷で、左(左衛門尉)の藤原、佐(佐野・佐渡)の藤原で佐藤になったなど諸説あります。
左衛門尉というのは、奈良時代から平安時代にかけてあった衛門府という官庁のひとつである左衛門府の官職です。ちなみに、衛門府は時期により左右2つありました。また、左衛門尉の名称は後年まで使われますが、時代によって意味が異なるようです。佐野や佐渡はそのまんま地名です。
但し、佐藤さんが全員もれなく藤原を源流としているとは言い切れません。まったく関係のない人が佐藤を名乗っている可能性が大いにあるためです。
ランキング2位は鈴木さん
佐藤さんとツートップとして頑張っているのが鈴木さんです。日本の内閣総理大臣では、佐藤さん(1人)よりも鈴木さん(2人)の方が多いですね。
鈴木さんの多くは、和歌山で発祥した名字で、穂積朝臣に連なるものだと考えられています。それが鈴木となった由来は、熊野三山信仰と関係しているとされています。つまり、木に鈴を付けたことから鈴木となったというのです。また、穂積の地方名である「すすき」から鈴木となったともいわれています。ただ、これらは他の姓氏にありがちな「諸説」というよりは、それぞれが独立した由来といえるものです。つまり、鈴を付けた木から名付けた鈴木さんもいれば、すすきから転じた鈴木さんもいるということになります。いずれにしても、鈴木さんは神職として由緒正しい名字であるといえるでしょう。
また、鈴木さんの中でも、和歌山の藤白鈴木氏、雑賀鈴木氏、愛知の三河鈴木氏の三大鈴木氏が有名です。
このような由来とは無関係にいる鈴木さんがいるであろう点は、佐藤さんなどと同様と考えられます。その理由としては、昔は単純に名家の氏を名乗る者がいたことと、明治になって全国民が名字を持つことになった際に、事実上好きな名前(名字)を付けたことがあげられます。
オヤジの中にも佐藤さんや鈴木さんが多数いるわけですが、自分の家がこのようなルーツを持つのか、それとも明治になって初めて名乗ったものなのかを調べることは容易ではありません。過去帳などを紐解ける環境がある人ばかりではないうえに、過去帳や家系図が真実を反映しているとは限らないからです。ということで、あまりルーツに拘るのも考えものといえるでしょう。