送料無料は果たして良いのか悪いのか?
- 2017/03/20
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クロネコの悲鳴の先にあるものは…
このところ、ヤマト運輸の時間帯指定の見直しと運賃値上げの検討やゆうパックの宅配料金値上げ要請検討など、宅配事業者の苦境がニュース番組などで取り上げられています。宅配の中心的な位置にいるヤマト運輸では、2013年からアマゾンの荷物を扱っており、この負担がかなり大きいといわれています。
アマゾンといえば、ちょっと前まで基本的に何を買っても送料無料のサービスをやっていました。現在では、2000円以上で送料無料が原則になっているようです。このアマゾンの荷物を大きく扱っていたのが、佐川急便でした。それが、2013年にヤマト運輸にチェンジします。その結果、佐川急便がくる機会が減った家も少なくありません。一方のヤマト運輸は、配達する荷物が激増して、再配達もあるため長時間労働になるドライバーの問題など、末端の業務がパンク寸前ともいわれています。
もちろん、アマゾンに責任があるわけではなく、原因は必要な人員を確保できない点にあるようです。人手不足で従業員の負担が増えれば、そのような激務の職場は避けたいと思う人が多くなります。結果、思うように人が集まらず、ますます激務になるという様子が想像されます。
それなら、給料などの待遇を良くすれば、就職したいと思う人が増えるのではないかと考えるでしょう。ここで、運賃の問題がでてきます。通販業界の運賃はかなり安いといわれています。一般の荷物の半分どころか、数分の一の単価ということもあるようです。取扱量の増加部分が、もっぱら低単価の荷物となれば、簡単に応募者が殺到するほど待遇を上げることもできないでしょう。そこで、運賃値上げの要請を検討することになります。
消費者サイドも送料を考えるときがきた?
通販で買い物をする側にとっては、送料無料は魅力的です。もし、一個500円の送料がかかるとすれば、二個で1000円、三個で1500円です。まとめられるものであれば、まとめて注文することで送料を少なくしようとするでしょう。しかし、送料無料なら、荷物が何個になろうとあまり考える必要がないのです。その結果、荷物の個数が増え、配達機会も増えることになります。
この辺で、消費者サイドも適正な送料を負担する考えを持つべきかも知れません。いきなり800円とか1000円とかの金額が無理なら、300円くらいは負担しても良いのではないでしょうか。完全無料の先には、疲弊した運送業者の姿が見え、結局は宅配サービスの衰退が待っているのではありませんか?
同じ通販でも、ネットをあまり利用しない層に人気がありそうなテレビショッピングでは、送料無料は例外的な扱いといえます。サプリメントなどの初回お試しセットに限り送料無料などの表示を見ますが、24時間の通販チャンネルなどでは送料込みの商品もありますが、基本的には荷物の大きさによって送料を取っています。つまり、実は送料無料でなくても生きていけるのが日本人なのです。
だからといって、送料無料をなくしてしまう必要はありません。同じオヤジ世代の宅配関係者の身になって、送料無料だからとバラバラ買い物をするのではなく、まとめられるものはまとめるなど、ちょっとした工夫をしてみれば良いでしょう。それこそ、エコな暮らし方というものです。