シャンパンのボトルの底の凹みは何のため?
- 2016/09/03
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ワインボトルの底の凹みは澱対策
ワインのボトルは底の部分に凹みをつけてあります。これは、ワインから出る澱を底にためて、グラスに注ぐ際に流れ出ないようにするため。澱が混じるとワインに雑味が入りますから、おいしく飲めるようボトルの形を工夫してあるわけです。
ところが、普通のワインと違って澱は除去済み、ボトル中にはもう澱がないはずのシャンパンのボトルも、どういうわけか底が凹んでいます。これは、いったいなぜ?
シャンパンは二酸化炭素を発生させてつくられる
シャンパンは、ご存じのように発泡性の酒です。最初の発酵は普通のワインと同じですが、シャンパンの製造には二次発酵という手法が使われます。二次発酵は、蔗糖の入ったシロップをワインに加えるという工程で行われます。
シロップを足して寝かされたワインは、発酵によりアルコールと泡の源である二酸化炭素が発生します。二酸化炭素の量は猛烈で、ただの液体だったワインには高い圧力が生まれます。
ボトル内の気圧は、水深50mの水圧と同じ
瓶詰めされて製品となったシャンパンも同じ。普通のワインとは異なり、シャンパンは「高気圧の酒」です。その気圧は、最低でも6気圧。6気圧というのは、水深50mの水圧と同等です。
それだけの気圧のある液体をガラス製のボトルに入れると、場合によっては気圧のためにガラスにひび割れが生じます。極端な場合、破裂するおそれもあります。だから、ボトルの底に凹みあり。ダムがアーチ型に反っているように、この凹みはシャンパンの圧力を分散させるはたらきをしているのです。
コルクを抜くと音が出るのも気圧のせい
シャンパンのコルクを普通のワインと同じ調子で抜くと、ポンッと大きな音が出、泡が吹き出ます。これも、シャンパンの圧力のなせるわざ。冷やし方が足りないと、泡だけでなくシャンパンの液そのものが吹き出ることもあります。
ソムリエたちは音を立てずにシャンパンのコルクを抜く技を見せてくれますが、そのために大切になるのが温度管理。レストランでシャンパンがワインクーラーに入れて供されるのも、冷えた状態を保つためです。
フランスでは日本のチタン製ワインクーラーが人気
フランスの高級レストランでは、いま、日本製のワインクーラー、特に新潟県の燕三条で作られるチタン製のクーラーが人気を集めています。真空二重加工がほどこされたチタン製のクーラーに入れれば、シャンパンの冷たさは常温の部屋の中でも4時間は保つと言われます。
ワインクーラー入りで供されるシャンパンを大勢で楽しむ機会があったら、ワインクーラーに入れて出し、シャンパンの気圧についてウンチクをかたむけるのも一興かも。
参考:真空二重チタン SUSgallery (サスギャラリー) 「ワインクーラー」 「シャンパンクーラー」 | 酒器と料理で美味しくなるお酒