大人の男なら、カシミアのコートをせめて1着
- 2016/09/21
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黒のウールのコート。雑踏の中でも目立ちますね
冬の雑踏の中、黒のウールのロングコートをまとった女性を見て、ぱっと目を引きつけられたことはありませんか。最近は暖冬+暖房完備の環境のせいでめっきり減りましたが、黒のウールのコートはやはりいいものです。何よりも、高級感があります。上品です。これを着ている人はきっと知性が豊かで、心があたたかいと思わせるものがあります。
これは、女性だけでなく男性も同じ。秋〜冬〜春へとステンカラーやトレンチコート1丁ですませる人が大半になりましたが、ウールのコートはやはり1着は持っていたいもの。日常着としてではなく、とっておきのドレスアップ・アイテムにするのなら、ただのウールではなく、カシミアとの混紡、あるいはカシミア100%の1着があると、いざという時への備えにもなります。
普通のウールではなく、カシミアなら最上級
生地の種類にはうといという方のために説明しておくと、ウールとは羊毛から作られる生地。そして、カシミアとは、インドのカシミール地方原産のカシミアヤギの毛から作られる生地をいいます。
カシミアヤギは、一般の羊のようにどこでも育てられるというものではなく、気候条件などに多く制約があるために、どうしても少数。それだけに、生地としては最高度に高価です。それでもカシミアを求める人が多いのは、軽くふんわりとして暖か、しかも肌触りがこの上なく良好だからです。ことに、内モンゴルで育ったカシミヤ山羊の胸の毛を使った生地は、最高とされています。
カシミアのコートでエグゼグティヴ気分
年末や年始には、高級ホテルを会場にした大がかりなパーティーが多く開催されます。このとき、参列者はクロークでコートを預けることになりますが、クロークの係員はベテランともなると一目でコートのよしあしを見分けるそうです。上質のカシミアなら、クローク係だけでなくホテルマン全員に好印象を与えること間違いなし。気持ちのよいサービスが期待できます。
ビジネスマンとしてキャリアを重ねてくると、エグゼグティヴが多く集うそういうパーティーに出る機会も自然に増えてきます。だから、カシミアのコートを1着というわけです。
まがいもののカシミアに要注意
ここ20年ほどの間に、カシミアをめぐる環境は激変しました。かつて「繊維の宝石」と呼ばれた時代はどこへやら、価格破壊が進み、かなりの低価格のものも出回るようになったからです。
しかし、実際には、まがいものが多くあるのが現実です。カシミア100%とうたわれてはいても、アフガニスタンやイランなど、品質の点で問題のあるカシミアがあります。また、アンゴラや普通のウールを混ぜて織っている粗悪品もあります。
質の違いは手触りでわかると言われますが、そうなるには相当の長い経験が必要でしょう。素人にはとても無理。結局は、「価格」で区別するのが一番のようです。
「10万円」が、質を分ける分岐点
一張羅と呼ぶにふさわしいカシミア100%のコート。その質を分ける分岐点は、ずばり「12万円」です。ご存じのとおり、ファッションは「ブランド」がものを言う世界ですから、著名ブランドになると、12万円以上でも、「ウール95%、カシミア5%」なんてのがあります。でも、一般的には、「カシミア100%」であることを確認した上で価格が12万円以上のものを選べば、まず大丈夫。本物と見て間違いないでしょう。
一番確実なのは、オーダー店に行って、話を聞き、手で確かめること。冬が来る前に、ぜひ一度お試しを。