軍隊の給料が高いか安いかの判断基準とは
- 2019/03/16
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軍隊にも給料はある
軍隊といえば、一般に国家の防衛を任務とした組織であり、有事にあっては生命を賭すことが必然となる存在です。そのため、通常の職業とは異なり、報酬を目的とした仕事ではないとの考え方が少なくありません。
とりわけ、国民の義務として徴兵制を採用している場合は、衣食住が保障されているだけでも十分とする見方もあります。どの国でも危険な職業とされる警察官などが高給の部類であることを考えると、まったく逆の現象といえるでしょう。
とはいえ、すべての軍隊が無給というわけではなく、軍隊にも給料はあります。それでは、軍隊の給料が高いか安いかの判断基準はあるのでしょうか。実際のところ、明確な基準があるわけではないものの、期間の定めのない本職とするなら他の職業と比較して考えることになります。生計を立てる必要があるためです。
一方、期間限定の軍隊生活であれば、高い安いを気にする必要性は低くなるといえます。
2019年3月現在、日本の自衛隊に勤務する自衛官の給料をみてみましょう。自衛官に成り立て、つまり自衛官候補生の3ヶ月を経過した時点で17万円弱の初任給です。別途各種手当と期末手当(ボーナス)が出ます。また、衣食住の支給・貸与もあります。候補生は3~4万円少ないのが通例です。
ただ、自衛隊の給料が志願制のモデルと考えるのは早計です。そもそも、自衛隊は軍隊ではない!という定義は別にして、日本は諸外国に比べて給与の数字では高待遇といえます。徴兵制で強制的に動員するわけではないことを考えれば、ある程度の額を出す必要はあるでしょう。志願制でもお小遣い程度しか出ない国もあります。
では、同じく志願制のアメリカはどの程度の給料でしょうか。下級兵士の給料で見ると、自衛隊と大差ないようです。米軍は安月給との声を聞くこともありますが、そんなこともないといえるでしょう。ただし、米軍が常に実戦と隣り合わせであることを加味すれば、安いと考えることもできます。その分、福利厚生などが充実しています。ちなみに、階級が上がるほど自衛隊よりも多くなるようです。
やっぱり徴兵は安月給
さて、徴兵制の国を見てみましょう。まずは、”お隣”韓国です。韓国軍といえば、1年ほど前に大幅な給料アップがニュースになりました。さぞかし高給だろうと思ったところ、日本円にして3万円程度です。韓国の物価を考えると、3万円程度は日本国内で使う3万円とたいして変わらないため、これで家計を支えることは不可能といえます。
当然ながら、韓国内の一般的職業に適用される最低賃金にも満たない金額であり、徴兵は安月給という傾向に適ったものといえます。徴兵制はいってみれば税金と同じようなもので、採用する多くの国では、少なくとも新兵や下級兵士に一般的な職業と同等の給料を支払う概念はないようです。
もっとも、徴兵制は時代の流れと逆行する制度ともいえ、多くの軍隊は志願制となっています。しかし、志願制に変わったからといって給料をアップできる国ばかりではありません。次第に、志願なのに安月給という軍隊が増えそうな気もします。
ところで、かつての日本軍はどうだったでしょうか。1銭5厘のハガキで召集できると表現されることもある兵隊さんの給料は、戦時加算を除いて10円に満たない金額だったようです。現在の韓国軍と同程度と考えられます。一家の大黒柱が徴兵されると大変ですが、除隊までの辛抱といった感じだったのでしょう。しかし、無事に除隊を迎えるケースは多くはなく、運命の昭和20年8月15日を迎えました。
こうした話に合致しない軍隊に外人部隊があります。それなりの金額で雇われますが、それに見合った働きが求められるものです。その働きとは、多くの場合実戦での活躍となります。
結論として、給料が高いとか安いとかは関係なく、軍隊生活は厳しいですね。平和が一番です。その平和を守るのも軍隊ということで、やはり給料はそれなりに払った方がよいのではないかと。