マイクロソフト、アクセンチュア、AT&Tも投資、中東のシリコンバレーと化したイスラエルが今凄い

  • 2018/06/21
  • ビジネス
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  • 沖倉 毅
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米シリコンバレー、中国の深圳と並び、世界の投資家や、IT企業の注目を集めるのがイスラエルだ。
理由は、スタートアップ(ベンチャー企業)の輩出数の多さと、強かさにあるだろう。

’10年を過ぎて、成長ぶりが目覚ましくなったイスラエルのベンチャー企業。

オヤジたちの間では、テロ組織だ軍事力という認識が強いイスラエルの内情。
イスラエルの軍事力は米国以上に、企業設立に生かされているのだ。

 

スタートアップを支援する『チーム8』とは

イスラエルは、面積22072㎢。岩手県の1.4倍という小さな国土だが、1人当たりのGDPは日本と同じである。

スタートアップを支援する『チーム8』とは

米国が直接投資の7割を占める理由は、米ナスダック市場の国別上場件数でイスラエル企業が上位に位置している事と、イスラエル国内でM&Aを行いやすい事がある。

’00年を過ぎてから、イスラエルが特にテコ入れを行っているのが、サイバーセキュリティ対策である。
スタートアップ輩出数が米国並になった所で、イスラエルは国策で、ベンチャー企業の支援を行ってきた。

’13年には、スタートアップ専門のインキュベーターファンド『チーム8』が発足。
このメンバーが凄い。
イスラエル軍トップ1%がリクルートされるというエリート諜報部隊『8200部隊』のOBなのだ。

スタートアップを支援する『チーム8』とは

軍のエリートたちが、国の明日を担うスタートアップを1年かけ支援し、育て上げる。
経営学だけでなく、サイバーセキュリティの面でも、一年でグローバル社会で戦える様にする。

スタートアップを支援する『チーム8』とは

『チーム8』を支援するのが、米国を代表する通信、IT大手だ。
’13年ファンド設立後、’15年には、マイクロソフト、アクセンチュア、AT&Tが、5600万米ドル投資。
’16年には三井物産がファンドの投資プログラムに参加した『チーム8』が育て上げたスタートアップ企業とは具体的にどの様なものだろうか。

 

自分が起業せずに誰がやると言う精神

イスラエル発のスタートアップ企業に『Early Sence(アーリーセンス)』がある。

’04年にイスラエルで操業し、その後、マサチューセッツ州に拠点を設け、現在は米国、カナダ、欧州を中心に事業展開しているヘルスケアITの会社である。

アーリーセンスは、ベットに仕込めるセンサーを専門に作っている。
これは患者がベットに寝ている時に、ベットの下にあるセンサーが、患者の心拍数、呼吸数、体の動きを感知。
容態が悪化すれば、ナースステーションもしくは、担当介護士の携帯に報告できるようになっているものである。

患者の体にチップを埋め込んだり、チューブを付けるという接触計測ではないので、患者のストレスにはならない。

自分が起業せずに誰がやると言う精神

元々は、4~5時間沖に看護師が容態をチェックする重篤度の低い患者向けに開発されたヘルスケアで、データを集積する事で、ベットからの落下、転倒、床ずれの防御にもなるという。

この企業に『チーム8』は、’15年に500万ドル出資している事が明らかになった。
『チーム8』は、個人情報漏洩の防止のノウハウやシステム管理に関して技術を提供している。

『アーリーセンス』は、米国で15件、日本で13件、韓国で1件の特許所得。
株主には、米大手医療機器メーカーのウェルチ・アレン、韓国サムスンが名前を連ねている。

自分が起業せずに誰がやると言う精神

患者のベットに組み込む事で、患者の容体を感知するという、アーリーセンスのこのシステム。
目標は在宅介護で使えるように、スマホアプリ化を目指す事だという。

これだけ在宅介護が増えている以上、スマホアプリ化は急がされるだろう。
『思い立った日が吉日』と言わんがばかりに、次々と起業するイスラエルと日本では、何故この様に差がでるのか。

 

何事にも出遅れる日本

知日派のイスラエル人や、在日イスラエル人は『日本はイスラエルに比べ、起業しやすい条件がそろったダイヤの原石の様な状態。
潰しているのは、大企業のトップなんじゃないのか。』と口を揃えて言う。

事業を起こすのに命の危険に晒される事もないが、親会社や国からの支援はない。
かつての日本の起業家魂はどこにいったのかと思うぐらい起業に保守的な面があるという。

日本からイスラエルに進出している企業は70社あまり、これは中国やドイツに比べると少ない。

’73年の石油危機の時に、アラブの産油国が石油禁輸を引き換えにイスラエルへの外交政策の転換を図ったが、日本以外の他の国は、『過去の話』と割り切っているのだ。

’90年代に、いち早くイスラエルの首都、テルアビブに拠点を置いた三井物産はイスラエルをこう分析する。

国の支援、国際企業に散らばった人材との情報交換、100%の成功にこだわらないという三本柱がイスラエルの企業を強くしているという。

国の支援は『チーム8』の発足を見れば明らかだ。
国際企業に散らばった人材の確保は、支援している米大手企業も絡んでいるのだろう。

何事にも出遅れる日本

最後の100%の成功にこだわらないというのは、イスラエル人は事業が軌道にのると売却し、経営から退き、また新たなベンチャーを立ち上げてしまうというのだ。

日本のオヤジの様に、成功したモノや事柄にしがみつかないのが、国民総生産の高さに繋がっているのだと思う。

この記事の作者

沖倉 毅
沖倉 毅
ビジネスと国際関連をメインに執筆しています沖倉です。 転職経験と語学力を生かし、語学教師とフリーライターをしています。 趣味は定期的に記録会に出る水泳、3000本以上お蔵入り字幕なしも観た映画、ガラクタも集める時計、万年筆、車、ガーデニング、筋トレです。 どうすれば永遠の男前になれるかをテーマに、取材は匿名を条件に記事執筆に勤しみます。
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