ホントに大丈夫?6ヶ国を巡る平和的過ぎる現状
- 2018/04/05
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やたらと和解ムードが強調される半島情勢
北朝鮮の金委員長がアメリカのトランプ大統領と会談するニュースに続いて、金委員長の北京訪問、習主席との会談と一気に進んで、いろいろな憶測が飛び交っています。そんな中、今度はロシアのプーチン大統領と金委員長の会談実現へ向けた北朝鮮の動きが報じられました。
日・米・中・露・韓、そして北の6ヶ国の中で、立て続けに接触を持ったか、図っている北朝鮮。いまのところ、日本とは目立った動きがありません。これをもって、日本だけが出遅れているだの、日本は相手にされていないだの、騒がしいところですが、日・北会談の話もちょこっと出ているとかいないとか。
4月17日からフロリダで行われる日米首脳会談では、北朝鮮対応について話し合われるでしょうから、その結果が大きく影響することは間違いありません。
それにしても、テレビ各局に映し出される映像は、金委員長の満面の笑みばかり。K-POP?の女性陣と握手する姿とか。国民向けに韓国文化に慣れるようにとの指示を出したとまで報じられています。ついこの間までの流れはどこへ行ってしまったのか?あまりにも変わり過ぎというものではありませんか。オヤジは付いていけません!
昔から、うまい話には裏があるといいます。耳にタコができているかもしれませんが、半島情勢に関していえば、過去幾度かの雪解けムードがありながら、その結果がこの間までの最悪の状況だったわけです。
今回は、雪解け?のレベルが突き抜けているので、今度こそホンモノではないか?北朝鮮もいままでと同じようにはいかない状況にきている!という専門家も少なくありません。一方では、歴史は繰り返すとして、今の平和な見た目を信用していない専門家も当然いるわけです。
もっとも、専門家が正しいわけではないので、あまり報道に右往左往するべきではないでしょう。何しろ、人によって見解が正反対なわけですから、専門家という看板に意味があるとすれば、両論併記か権威付けといったところでしょうか。いや、専門家がよく勉強しており、優れていることは確かです。ただし、見解が正しいかどうかは、終わってみなければわからないという事実があります。
日本がとるべき対応とは
『南北が仲良くなりました。中北関係が元通りになりました。露北の接触が増えました。ナント!米北首脳会談まで行われました。そして、日本も北への制裁をやめました。』このような近未来を夢見ている人もいるようです。そこに加えておくべきなのが、拉致被害者の安否確認と帰国です。
ところで、ラブコールを送られる形になるロシアですが、プーチン大統領とロシアにとって、このタイミングで北朝鮮と接近することにどのようなメリットがあるでしょうか。
・できるだけ南に活動拠点を持ちたいロシアとしては、北朝鮮との関係を深めることで、将来的な軍事基地の拡大を見込める。
・中国の影響が強い北朝鮮と独自の接触を強化することで、人口と経済成長で存在を強める中国をけん制する意味合いがある。
・北朝鮮との間で難問を抱えている日本や韓国に対する存在感を強めることができる。
・アメリカに対して、極東問題の解決メンバーにロシアもいることを誇示する。
いろいろな観測がありますが、ロシアにとって北朝鮮はアメリカを中心とするこの地域の「西側諸国」をけん制する国家として重要な存在であることは否定できないといわれています。現実に、現在のロシアと北朝鮮の立ち位置を考えたとき、北朝鮮がどうにかなった場合、ロシアにとってデメリットはあってもメリットはなさそうです。そうなると、少なくとも、北朝鮮が崩壊するようなことは望んでいないのでしょう。
その点では、中国と同じような立場といえます。この前提がある限り、プーチンさんが会談するかどうかにかかわらず、日本が望むような拉致問題の解決を前提とした北朝鮮問題の進展は期待薄といわざるを得ません。なんとなく、表面的には平和な状態になる可能性が小さくなさそうです。それがいつまで続くかの疑問はあるにせよ。
では、日本はどうすべきなのか。その答えを出せるのは日本人、日本国民しかいないのです。政治家が、役人がなんとかするだろうではなく、国民が総意を持ってあたらなければどうにもならない問題だといえるでしょう。