米朝会談に右往左往する世界の論調
- 2018/03/30
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トランプさんと金委員長の思惑を推測する専門家
平昌パラリンピックが粛々と進行する中、北朝鮮の金委員長とアメリカのトランプ大統領が、歴史的な米朝首脳会談を行いそうな雰囲気が醸成されています。韓国の文大統領が両者を取り持つようなカタチを作りつつ、朝鮮半島の両国が統一へ向けた一歩を進めるイメージを広める狙いもありそうです。
そして、このニュースには各国の専門家たちが、それぞれの立場や分析でいろいろといっており、さながら右往左往しているようです。
主な論調をまとめてみました。
・文さんを利用して時間稼ぎをする北朝鮮
比較的早い段階から出ているのがこれです。例によって、対米ミサイル戦略が完成するまでの北朝鮮による時間稼ぎであり、親北の文大統領が利用されているだけだというものです。これまでの長い歴史を背景にした分析であり、説得力は一番かもしれません。
・トランプさんの気まぐれでたいした意味はない
この論では、北朝鮮や韓国の意図はともかく、トランプさんが米朝会談に応じる返事をしたとしても、それは単なる気まぐれであり、実際に金委員長と会談するかどうかは未知数だとしています。また、会談が実現したとしても、中身があるかどうかは疑問だというものです。
・これで世界平和に一歩近づいた
いわゆる脳内がお花畑になっている論調だとして批判にさらされる意見です。世界一の大国であるアメリカと、危険な独裁国家とされる北朝鮮のトップ同士が会談することは、今世紀屈指の平和外交だとしています。本当にそうであれば、それはそれでよいことですが…。
・日本は取り残された!
拉致問題や隣の核ミサイル問題に直面している日本にとって、アメリカが北朝鮮と手打ちをするような行為は破滅的な出来事だとして、怒りをもつ声や絶望する声も増えています。仮に、朝鮮半島情勢が沈静化しても、そのコストを払わされるのは日本だという冷静な分析もあります。
さらにキナ臭くなるという見方
この会談が実現すると、余計にややこしいことになるという分析も少なくありません。
・北による統一が早まった
この期に及んでアメリカが北朝鮮と対立しないということは、北朝鮮の体制がこのまま続くことを意味し、文さん率いる韓国が北朝鮮の影響下に入ることのハードルまで下がってしまうとする意見があります。いわゆる赤化統一の促進です。アメリカとしては、太平洋を挟んだ極東の地には、不沈空母「日本」が浮かんでいるからノープロブレム?
・中国が黙っていない
任期撤廃の周政権にとって、北朝鮮とアメリカの融和は好ましいことではないといわれています。もし、今回の米朝会談で、北朝鮮がより中国離れを進め、アメリカと接近するようなことがあれば、緩衝地帯を失いかねません。それを黙ってみているのか?という指摘です。
・北という核保有国の誕生
米朝会談によって、本格的にアメリカが北朝鮮という国家を承認することになれば、北朝鮮の核は名実ともに国際社会に黙認されることになりそうです。単なる核保有国を増やすに過ぎない会談だとの指摘が出ています。
そして、いちばんトホホな見解?が、米朝会談があろうがなかろうが、日本にとって大きな違いはないとするものです。
つまり、そもそもアメリカも北朝鮮も日本のためではなく自国のために外交を展開しているという大前提があります。これは、国家としては当然のことです。そう思っていない日本のお人よしには理解できないことかもしれませんが。
そして、この前提がある以上、日本が望むような未来なんか夢物語だというのです。文字通り、夢のない話ではありませんか。
しかし、現実を見据えて、日本にできることを考えなければなりません。そして、肝心の日本でいま起きていることは…。政治家も役人もしっかりしてくれと思うオヤジでした。