心の中にぶれない軸がほしいビジネスマンに捧げる、真言宗開祖・空海の名言3選
- 2016/07/01
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仏教布教の名プロデューサーだった空海
「お不動さん」といえば不動明王を指すのが当たり前というくらいに、現在の日本では明王の存在が浸透しています。
しかし、世界的に見るとここまで明王が一般的な国は珍しいです。明王には不動明王のほかにも愛染明王や軍荼利明王など複数の尊格がいますが、どれも上位の仏の使いという立場なので、海外ではそれほど人気がありません。
ではなぜ日本では明王がよく知られているのかというと、平安時代の僧侶・空海が積極的に広めたからです。真言宗の開祖として教科書にも登場する空海は、インド古来の仏教にインドの土着信仰を融合させた密教をわかりやすく伝えるため、密教独自の尊格である明王をフィーチャーしました。
明王が日本でずっと親しまれているのは、空海の優れたプロデュース能力があったからなのです。そしてなにより、密教を多くの人に知ってほしいという信念があったからこそ。
空海の穏やかでいてまっすぐな意志は、常に迷いや悩みの中にいるビジネスマンの心の軸も正してくれます。
そんな空海の名言から、3つをご紹介しましょう。
菩薩 菩薩 体いかんぞや 顔容はなはだ世間の人に似たり
「菩薩も姿かたちは一般人と同じ」という意味です。
「普通」とか「平凡」と言われると悩む人が多いですが、むしろ「世間の人」と同じ感性を持っていなければ、相手の心に届く人助けはできません。それはビジネスでも同じです。
大成功した企画や商品も、身近な人の小さな悩みを解決したいという思いから始まっていることが多いもの。
凡人でいるほうが、より多くのビジネスチャンスをつかめるのです。
心暗きときは、すなわち遇うところことごとく禍いなり。眼明らかなれば途にふれてみな宝なり。
「心が暗いときは出会うものすべてマイナスになる。心が明るいときはつまらないものでもすべてプラスになる」という意味です。
憂鬱なときは信頼している仲間の言葉でも落ち込みますが、気分が明るいときは嫌いな上司の言葉でも前向きに理解できますよね。同じ言葉でも心の持ちようで受け止め方が違ってくるのです。
なにかと心が沈みがちなビジネスマンですが、そのときの気分で心の軸がぶれてしまわないためにも、暗い気持ちを振り払って仕事に向き合いましょう。
不識己が有うを識らず 貧此に過たるは莫し
「自分がどんな人間か知らないこと以上の貧しさはない」という意味です。
自分を棚に上げて他人を非難する人は見るに堪えないですよね。そういう人がいたら「自分はどうだろう」と考えてみましょう。
自分を客観的に見ると、いかに周囲から助けられているかを実感できます。そして、そこから本物の感謝が生まれるのです。
「ありがとう」の気持ちがあれば、いつでもどんな相手にでも、変わらない謙虚な態度で接することができるようになります。
空海のように迷いのない心を持って、ビジネスに臨んでください。
名言の引用元:性霊集・吽字義