新しく発行される「1万円金貨」は果たして買いなのか?

  • 2018/11/13
  • ビジネス
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  • アントニオ犬助
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平成最後の31年が刻まれる金貨

平成最後の31年が刻まれる金貨

平成最後の夏の甲子園とか、平成最後のプロ野球日本一とか。
すでに食傷気味の「平成最後」というフレーズ、来年の改元が近づくにつれて、あちこちで連呼されることが予想されますね。すでにうんざりしている私、アントニオ犬助です。
しかし犬助も平成という時代を生きてきた日本人ですから、このフレーズに全く心を動かされないわけではありませんし、恐らく多くの人にとっても同じこと。
だから、ビジネスチャンスと考える人たちが平成最後を連呼する。おお、もう……という感じです。

天皇陛下の御在位30年を記念した記念硬貨が発行されます。
この硬貨には平成最後の年である「31年」の文字が刻まれるメモリアルなもの。「これは!!」と思う方は、購入申し込みの期限が11月21日までと迫っていますから、ぜひお急ぎいただきたいのですが、今回はこれの価値はどのようなものなのか? 将来的に値段が上がったりするのか? という話です。

 

さて、プレミアムは付くのでしょうか?

さて、プレミアムは付くのでしょうか?

この1万円硬貨、来年の2月24日に予定されている天皇陛下御在位30年の式典を記念して発行されるもので、価格は13万8,000円。「額面が1万円なのに、この値段は何事だ?!」と思われるかもしれませんが、素材は純金と聞くと納得できるはず。
額面は1万円ながらも1万円以上の市場価値を持つで「あろう」ものなのです。

発行枚数は5万枚、豪華なベルベット張りのケースに収められた様は仰々しいものですが、購入する側として気になるのが購入価格を上回ってくるのか? というところ。将来的にはどうなるのか? というところでしょう。

そこで参考にしたいのが、今までに発行された2つの10万円金貨。
「天皇陛下御在位60年記念」と「天皇陛下御即位記念」、どちらも額面は10万円で発行価格も同じ10万円でしたから、今回の1万円硬貨と販売価格はまあ似ています。
発行枚数はそれぞれ1,000万枚と230万枚なのですが、片方は額面を上回る価格で取引されている。さて、どっちにプレミアが付いているのでしょうか?

答えは「天皇陛下御即位記念」、こちらの市場価格は13万円ぐらいが期待できるのです。
「ああ、発行枚数が少ないから、プレミアが付いているのね?」と思った人は大間違い。230万枚という数は決して少なくはない枚数、プレミアが付くレベルでは絶対にないのです。

ならば、なぜ「天皇陛下御即位記念」の方が額面を上回る価格で取引されているのか? というと、単に使われている金の量が30gと多いから。硬貨の美術性や希少性ではなく、貴金属の地金というレベルでプレミアがついているのです。

一方で「天皇陛下御在位60年記念」に使われている金の量は20g、現在の金の取引価格は4,800円ぐらいですから、地金としての価値は額面を割り込んでしまう。こちらにプレミアは付いていないのです。

 

国がおこなった金貨ビジネス

ではなぜ「天皇陛下御即位記念」は30gという大量の金を使った贅沢な造りだったのかというと、発行された平成2年当時は金の価格が1gあたり、1,800円程度だったから。材料原価は5万4,000円程度でしたから、10万円で販売しても充分もうけが出る計算だったからです。

もうけてどうするのかというと、当然国庫がうるおう。
天皇陛下御即位というお祝いムードに心を動かされた人をターゲットに、ビジネスチャンスと考えた日本が商売をしたということ。しかしその後、金の価格は高騰、結果、購入した人は得をするということになりました。

 

もちろん購入を止めはしませんが……

もちろん購入を止めはしませんが……

では発売になる「天皇陛下御在位30年記念」はどうなのか? というと、今回のケースも国庫をうるおすためのビジネスと考えられます。総重量は明らかになっていませんが、販売価格を上回る量の金を使っているとは絶対に考えられないのです。

確かに5万枚という発行枚数の少なさは注目すべきなのですが……この枚数はコイン・マニアの数と比較すると充分なもの。プレミアが付くほどには希少価値はないと、犬助は考えています。

ですから「天皇陛下御在位30年記念」という日本がおこなうビジネスに、お付き合いする必要はなさそうです。もちろん「プレミアなどはどうでもいい、純粋な気持ちで天皇陛下の御即位をお祝いしたいのだ」という方を止めたりはしませんが。

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アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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