ついにTPPが発効!これにより世界経済はどう変わっていくの?
- 2019/01/12
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TPPが発効に!
2019年も始まったばかりですが、実は2019年になる前にTPP(環太平洋パートナーシップ協定)が発効されています。昨年12月30日に、11カ国が参加するTPPが発効となったのです。
これは重大なニュースであり、今後の世界経済に大きな影響を与えた可能性が大きいです。そこで今回は、改めてTPPとはどんな協定であり、今後世界経済にどんな影響を与えるのかを紹介していきます。
TPPとはどんな協定?
TPPは、環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的にした、多角的な経済連携協定のことです。自由経済圏では、農産品や工業品の関税を段階的に撤廃されることになります。
また、投資や知的財産権保護などについても、高水準のルールを定めています。参加国である11カ国を合計すると、世界の国内総生産(GDP)の約13%を占めることになり、巨大な自由経済圏が誕生するのです。
TPPが発効された国とは?
今回TPPが発効されたのは、発効条件が満たされたからです。発効条件は、参加11カ国のうち6カ国以上が国内の手続きを終えることでした。2018年12月30日に、日本を含む6カ国が国内手続きを終えたことで、発効となったのです。
ちなみに、今回発効されたのは日本・オーストラリア・カナダ・メキシコ・ニュージーランド・シンガポールの6カ国です。1月14日にベトナムが発効となり、残りのマレーシア・ペルー・チリ・ブルネイの発効する時期の見通しは立ってないのが現状となります。
今後のTPPの動きについて
今後のTPPの動きですが、参加国が増えていく可能性が高いです。なぜなら、すでに11カ国以外の国も参加する意向を示しているからです。タイやコロンビアが参加する意向を示しており、EUを離脱する見通しであるイギリスも参加する意向とされています。
このような動きに対して、TPP参加国は1月に閣僚レベルが集まるTPP委員会を開催し、新規加盟の手続きについて議論する予定です。それだけに、今後、TPPによる自由経済圏は、さらに拡がっていくことが予測できます。
世界経済にどんな影響を与える?
TPPが世界経済に与える影響は大きいです。アメリカは保護主義的な政策を推し進めています。実際に、中国との貿易戦争が起こっており、関税による報復の応酬が繰り広げられています。
そこで、TPPという大きな自由貿易圏を作り上げることにより、保護主義に対抗することができるのです。これによって、大国が有利である保護主義を牽制することができ、世界経済の活性化につなげることが期待されています。
日本への影響は?
日本人としては、世界経済よりも自分たちにどんな影響を与えるのかが気になるかもしれません。TPPが発効したことで、輸入品への関税が幅広い品目で撤廃・削減されます。農林水産品の多くの品目で関税が撤廃されたり、段階的に引き下げられたりするのです。また、工業製品は、すべての品目で撤廃される予定であり、石油製品はすでに関税が撤廃されました。
輸入品だけでなく、輸出品の関税も変わっていきます。輸出される工業製品は、最終的に全品目の99.9%で関税が撤廃される予定です。また、「日本酒」については、カナダやオーストラリアがかけていた関税が即時撤廃されています。
これらのことから、日本国内での農林水産品の生産者にとってはマイナスです。逆に、輸出をメインにしている企業にとっては、プラスの影響を与えます。
今後もTPPに注目すべき!
ついに発効されたTPPですが、まだまだ今後の動きは不明な点が多いです。参加する意向を示している国も多くありますが、新規加盟の手続きなどについても決まっていないのが現状です。
また、参加国11カ国のうち4カ国はまだ発効の見通しが立っていません。それだけに、TPP参加国も足並みが揃っているとは言いにくい状況となっています。世界情勢が目まぐるしく変化しているだけに、TPPがどうなっていくのかに注目するべきでしょう。