電気自動車の普及でエネルギー問題は解消する?
- 2018/05/09
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電気自動車でガソリンが不要になる
世界各国でガソリン自動車から電気自動車へのシフトが加速しようとしている2018年。日本では、まだまだ電気自動車の存在が身近ではありません。ハイブリッド車でさえ、一部のメジャーな車種をそこそこ見かける程度というオヤジも少なくないでしょう。
こうした状況にある日本では、ガソリンの需要が減ることはなく、石油の輸入価格と供給量に左右されるエネルギー問題はなかなか終わりを見せません。諸外国には、あと10年20年程度でガソリン自動車を完全に廃止し、電気自動車に置き換える方針を固めている国も少なくないようです。
電気自動車にガソリンは不要ですから、石油エネルギーも自動車に消費されることがなくなります。これは凄い話です。とはいえ、いやいや、その電気を発電するのにも石油が必要ではないか。との声も聞こえてきます。
電気を作るために必要な一次エネルギーとして、火力発電に使用する石油があるのは確かです。ただし、発電に使える化石燃料は石油だけではありません。火力発電には、石炭火力やLNG火力もあります。
また、賛否が激突している原子力発電は置いておくとしても、地熱発電、水力発電、風力発電、太陽光発電などの発電方法もあり、石油を使わなければならい時代は徐々になくなっていくものと考えられます。
一般家庭の住宅などは、ZEHネット・ゼロ・エネルギー・ハウスなる取り組みが、国を挙げて行われている最中です。これは、家庭における一次エネルギーの消費量をプラスマイナスでゼロにするというものです。
太陽光発電のコスト、生産にかかる消費エネルギーを下げ続けることができれば、石油の需要を大きく減らすこともできます。
電気自動車とZEHで資源安全保障を有利に
仮に、それが困難であったとしても、再生可能エネルギーは多種あります。それらを組み合わせて拡大させることを、そろそろ真剣に考えるべきでしょう。また、火力発電を維持する必要があるとしても、LNG火力の強化が進んでいる現在の状況を考えれば、やはり石油火力は減っていく運命にあるといえそうです。
さて、電気自動車の普及には、価格の低下が欠かせない要素といえます。なんだかんだいっても、それなりの価格である電気自動車を買うことができる国民は限られているのが実情でしょう。
しかし、商品の価格はスケールメリットがなければ簡単には下がらないものです。売れないから高く、高いから売れないという悪循環では困ります。そこは、国策が必要であり、他国が思い切った目標を設定できるのも、国策あってのことです。
ただ、電気自動車の普及でエネルギー問題が解消するかといえば、それだけでクリアできるものではないでしょう。国策としてガソリン自動車から電気自動車にシフトする。そして、ZEHネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを推し進める。もちろん、その背景には再生可能エネルギーの利用を促進するための開発・法整備などもしっかりとやる。
これができれば、エネルギー安全保障としても一歩前進です。石油ショックでトイレットペーパーの買い占めが起こるようでは困ってしまいます。
さて、エネルギー問題を語るときに避けてとおれないものひとつに、既得権益層と新規勢力のせめぎあいがあるともいわれています。単に地球にやさしいエコライフという話であればともかく、安全保障に関わることですから、利権どうこうで考えて欲しくないものです。そういえば、このところ地球温暖化がどうのという話もあまり聞かなくなったように感じるのは気のせいでしょうか。
資源のない国ニッポンとは昔からよくいわれていることですが、ないところに資源を作ることが可能となっている現代ですので、頭脳明晰なオヤジたちの活躍に期待するところです。