AV5年ルールをオヤジはどう守ればいいのか
- 2017/12/22
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ドキッとさせるルール名だけが一人歩きしている
少し前にアダルトビデオ(以下AV)の適正化を図るための第三者委員会が、活動のまとめとして「提言」を出した。
委員会名は「AV業界改革推進有識者委員会」という長いもので、約半年の協議を経て出された「提言」は、業界関係者はもとより、一般のAVファンたちを巻き込んでかなり話題となった。
さてこの提言に書かれた規則は、来たる1月から順次実施されるそうで、これによって業界の悪しき伝統がどう変わるのか、または変わらないのか、興味深いところだ。
AV5年ルールはその中の一項目に過ぎない
どうせマスコミが「呼びにくいからおもしろそうな呼称を」という考えでつけたであろう「AV5年ルール」とは、もちろん正式名称ではない。
それは提言の中に書かれた10の新ルールの内のひとつでしかなく、提言の「骨子」ともいうべき「女性を保護する施策」は他にも多岐にわたっている。
あらためて「AV5年ルール」を説明しておくと、
▼適正AV作品の使用期間を最大5年とし、それ以降は女優さんの許可なく使用できず、停止になる
というもの。
でもって、それ以後も残るであろう「ネット上の残骸」なんかも新組織が立ち上げられ、随時削除されていくのだそうな。
これだけ聞くとファンは「さあ、好きなタイトルは実物を入手して保存するしかなくなったぞ」とか「5年あればオイラは十分ローテで楽しんでいける」とか様々な感想が湧き上がるだろうが、事はそう簡単ではない。
たとえば「5年ルールは守りつつも、その前にオムニバスもう1作つくっちゃえ」という悪だくみ。
これなんか究極のグレーゾーンであり、切れないようにしている車検と何ら変わりない状態に陥っている。
それに5年前の女優さんって、覚えている方どのくらいいらっしゃいますか?
今も活躍中の一流どころならまだしも、消えてほしいデジタル記憶は「お辞めになった女優さん」の方ですからなあ。
はたして5年ルールは5年だけに本当に「女優さん寄りのルールなのか」も怪しいし、社会通念上は「辞めた時点できれいさっぱり」でなければおかしいという声も理解できるところだ。
斜陽産業を救うか潰すか
さてここからは、そんな新ルール後のAV業界とオヤジたちがどう付き合うか、という話だ。
ホントのAV創生期を知る世代としては、いまのAV業界の元気のなさ、いや自分がAVそのものをほとんど目にしなくなったことに、驚きを感じている。
あはは、衰えたからだろって確かにそうなのだが、たとえばCSの番組表を見ても
▼あわよくば芸能人系
▼やたらタイトルの長い企画系
▼そして8時間も当たり前のオムニバス系
これしか引っかかってこないのだ。
きれいなきれいなおねいさんの「単体系」は、もはや天然記念物と呼んでいい状態なんだね。
豊丸、小林ひとみ、松坂希実子、田中露央沙、樹まり子…今思い出したらみんなオジサンと同世代!(変換できない名前ばかり)
なんだ、創生期にオレは同級生に興奮していたのか!
だれも業界を引っ張っていないんだから、盛り上がるはずがない。
お布施をまこうにも、相手がいないんだから。
斜陽産業の最期はひどいことになる。これだけはオレにもわかる。
食えるものは残らず食い潰され、先に入ってきた者だけが後から来た者を搾取し、甘い汁を吸っていなくなる。
そのネズミ講のような毒牙にかかってしまうのが、今の若い女優さんたちというわけだ。
今までが汚すぎたのか
きれいにし過ぎれば、おもしろくない業界は確かに存在する。
クリーンにしたら生き残ったかのように見えて、実は「ガラとスジだけ」になってしまう業界ってね。
もし新ルールで「これから再出発する元女優さんにとってほんの少しのせんべつ」になるというなら、ちまたでよく言われる「お別れ記念実物ソフト購入現象」が盛り上がり、利益が上がればいいと単純にそう思う。
また、そういう新ルールであってほしいと切に願う。
視聴者側にできることが少ないルールって、なんとももどかしいけれど。