あなたの側にもきっと?! 欲望の暴走の記録「個人美術館」

  • 2018/02/16
  • ライフスタイル・娯楽
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三重に固まる3つの特異な美術館

三重に固まる3つの特異な美術館

「ルーブル彫刻美術館」「パラミタ ミュージアム」「マコンデ美術館」……以上、3つの名前を耳にして「ピクッ!!」と反応したあなた。あなたは、間違いなく三重県民ですね。

先日、三重県について調べる機会がありまして、その過程で上記3つの美術館を知ることができました。共通点は、それぞれが個人のものであるところ。
「○○市立美術館」とか「××県立美術館」とか、大抵、美術館は地方自治体などよって運営されているもの。ですから創設の目的として、地方の文化の振興とか、故郷ゆかりの芸術家の業績をたたえるとか、そんなルールがあるのです。

ですから、収蔵されている作品は、どうしても縛りができてしまい、つまらない……こんなことが起こりがちなのです。

しかし! その点、個人美術館は違います。本人の趣味にあったものを、欲望のおもむくまま集めていたいた結果、美術館になったというだけですから、コレクションに縛りなどはない。そして、自分が思うがまま集めてきたものを、みんなに見てもらいたい、という「どストレート」の欲求から設けられているものがほとんどだったりしますから、ある種のすがすがしさを感じてしまうのです。

 

私的な追悼施設じゃないの?それって!!

私的な追悼施設じゃないのそれって!!

例えば先述の「ルーブル彫刻美術館」。これは、竹川勇次郎なる人物が私財を投じて創設したもの。館内には、実際にパリ・ルーブル美術館に展示されている、彫刻の名品から型を取って制作したものばかりという……まあ、要はレプリカが並んでいるだけなのですが……しかし、それを制作するまでの熱意が凄まじい。竹川氏はルーブルまで17回も足を運んでいるといいますし、建物は「あの」黒川紀章氏が設計しているというのです。

また「パラミタミュージアム」とはイオングループの会長・岡田卓也氏の実姉である小嶋千鶴子氏が創設したもの。コレクションの核を成すのは、「あの」池田万寿夫が手がけたという「般若心経シリーズ」加えて、小嶋氏の亡夫である小嶋三郎一氏の洋画も大量に展示してあるという……といいますか、これって小嶋氏による亡夫の私的な追悼施設じゃありませんか? それに入館料が1,000円って……とも思うのですが、まあそこは個人美術館ですから好きにしてもらえば結構なのです。

そして「マコンデ美術館」とは、アフリカ大陸の東部に暮らすマコンデ族の彫刻作品を収集してきた、水野恒男氏がオープンさせたもの。展示総数2,000点と聞くと「ふーん」としか思わないのですが、忘れてはならないのが、これを収集したのが水野氏であるいうこと。そして、この美術館が2億4,000万円という私費を投じて造られているという点です。

 

正にカオスな空間、個人美術館

そして、そんな個人美術館、犬助の家の周りにもある、というかあったのですね。
その人は県内では有名な不動産王。金に物をいわせて、プロ野球選手のグローブや有名人の愛用の品、鉄道関係、映画関係などなどを買いあさっていると評判でした。

そして、遂にやっちゃったんですよね、個人美術館のオープンを。
そして、犬助も1度だけ訪れたことがあるのですが、まあ個人の趣味のものが脈絡なく並んでいる様は正にカオス。
例えば、オタクの人にちょっと会話の水を傾けたら、際限なく話し出してしまって「あちゃー」となってしまった経験って、誰にもあるかと思うのですが、あれをコレクションでやられている気分。まあ、軽くめまいを覚えたものでした。

 

個人美術館とは、個人の暴走の貴重な記録である

個人美術館とは、個人の暴走の貴重な記録である

しかし、その個人美術館なのですが、ある日突然閉館。
しばらくたつと、その建物にはまったく別の事業者が入って営業を始めてしまったのです。

風のウワサによると、その不動産王、中国ビジネスに失敗した挙句、身包みはがされて、失意のうちに亡くなったとか。そして、あれだけあったコレクションも四散してしまったとか。

願わくば……「ルーブル彫刻美術館」「パラミタ ミュージアム」「マコンデ美術館」を初めとした日本中の個人美術館がこんな憂き目に会わないよう、そして個人コレクションの暴走の記録を未来永劫に渡って伝えてくれるよう。そんな風に思わざるを得ないのです。

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アントニオ犬助
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みんなに嫌われるジジイを目指して、日々精進中!!
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