野球でベンチでスーツを着た監督ってルール違反?
- 2019/01/07
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「ベンチでスーツを着た監督ってルール違反?」
例えばサッカーでは、監督は試合中にスーツを着用しています。
しかし野球においてはそうではなく、監督やコーチも選手と同じようにユニフォームを着用しています。実際にプレーをするわけではない監督が、なぜ試合中にユニフォームを着ているのか。気になっている人もいるのではないでしょうか。
ユニフォームの理由
なぜ野球では、監督やコーチも揃ってユニフォームを着用しているのか。
これはもちろんルールとして定められているから・・・ではなく、実は監督の服装についての規定は明確には定められていません。実際にメジャーリーグでは、スーツを着用して采配を振るっていたコニー・マックという監督も存在しています。その気になればスーツも私服も着ることが出来るのに、なぜ野球の監督はユニフォームを着ているのか・・・。その理由は、野球黎明期の名残りと言われています。
野球が出来たばかりの頃は監督という役職はなく、各チームのキャプテンが指揮を行っていました。しかし当然ながら、キャプテンは選手でもあるため試合に出なくてはなりません。そのため、ユニフォームを着用する必要性があったのです。また現代でも、谷繁元信や古田敦也のように兼任監督として選手と監督の両方を担うケースもあります。
他にも、野球の監督はグラウンドに立ち入ることが可能な点も理由の1つと言えます。
例えば投手を激励する時や、交代を告げる時。
スーツは一般的には正装と言えますが、そんな姿でグラウンドに足を踏み入れてはやはり浮いてしまいます。グラウンドにおいては、ユニフォームこそが正装なのです。こうした理由から、野球においては監督もユニフォームを着用していると言われています。
コニー・マックという人物
スーツを着ながら指揮を執っていた、コニー・マックという人物。
彼のことをもう少し詳しく紹介をしますと、初めて監督に就任をしたのは1894年。
チームはピッツバーグ・パイレーツでした。
ただこの時はまだ選手も続けていたため、他の選手と同じようにユニフォームを着用していました。以降1896年までの3年間、選手権監督を務めています。
そんなコニー・マックスが監督業に専念するようになったのは、1901年のこと。
フィラデルフィア・アスレチックスの初代監督に就任すると以降50年間、実に87歳まで指揮を執り続けることになります。
そしてもちろんその服装は、ユニフォームではなくスーツ。
一体なぜスーツを着ているのか。
その理由はコニー・マックが長身やせ型だったため、ユニフォームが似合わないからなんだとか。紳士的な人物だったそうで監督専任となった50年もの間、退場処分は1度もありませんでした。監督期間中にワールドシリーズ制覇を5度成し遂げており、スーツ姿で采配を振るうその姿はMLBの象徴でもありました。また1934年には日米野球の際に日本を訪れており、日本の選手の試合に臨む姿勢を褒めたたえています。
メジャーリーグに多大な功績をもたらした、偉大な人物として称えられています。
いつか日本でも?
選手も監督もコーチも、ユニフォームで統一されているプロ野球。
しかし上記のように、監督に関する規定はありません。
そのため、いつかプロ野球にもスーツ姿で指揮を執る監督が現れる可能性は0ではありません。いくらルールで許容されているとは言っても、仮に実現すれば議論を呼ぶでしょう。誰もやらない事をあえてやる事への厳しさは、コニー・マックがいた時代よりも増しているのかもしれません。しかしそういった型破りな監督の存在が、プロ野球界にさらなる活気を与える可能性もあります。
果たして日本にも、コニー・マックが現れる日が来るのでしょうか。