欧州産品値下げEPAセールで賢く得する方法とは
- 2019/02/13
- ビジネス
- 288view
- マネー
- EU
- 国際情勢
- 日本
- 海外
- 経済
- 買い物
EPAで自由貿易の恩恵を受ける時代へ
みなさんは近頃、EPAという言葉を聞いたことはありませんか。
これは日本とEU(欧州連合)の間に結ばれた経済連携協定のことで、さる2月1日に発効しました。
すでに大手スーパー等では「EPAセール」なる安売りが始まっているので、「EPAってなんだろう?」と感じながらも値下げされたワインなどを買ったという方もいるでしょう。
EPAは貿易のさらなる自由化を図る国と国(共同体)との協定で、今後私たちの生活に「商品価格」という形で大きな影響を与えるものです。
ま、そんな難しいことはさておき、大まかには「外国から輸入される品物の中に今すぐあるいは将来関税がなくなって値段が安くなるものがある」と覚えておくのがいいでしょう。(もっとややこしいデータや商取引のルールもありますが…)
どんなものが安くなりそう?
EPA発効によって関税がなくなる輸出入品は日本側が94%、EU側では99%にも及ぶので、将来「欧州産」と銘打った品物に関しては、まず値下げがあると期待していいかもしれません。
たとえば、欧州産ワイン。
EPA発効前は、15%または1リットルあたり125円(750ミリボトルで約93円)の関税がかかっていましたが、今後はこの関税が即時ゼロ!になります。
ネームバリューではなく容量にかかっていた関税ということは、手軽に買える価格帯のワインほど値下げの恩恵があるということ。
事実、イオンのEPA発効記念セールを見ると、スペイン産ワインを中心に750ミリリットルで税込み429円、よりどり3本なら税込み1,080円なんてものもたくさん出てきました。(イオン行ったことないので決して回し者ではありませんよ)
そしてワインといえば、おつまみの欧州産ナチュラルチーズ。
チーズは関税即時ゼロとはいきませんでしたが、今後16年をかけて少しずつ関税をゼロに近づける方法が採られます。
「なんだ、今はまだチーズ安くないのか」いえいえ、そんなことはないんです。
そこが商人(あきんど)たちの知恵の絞りどころでして、ワインの消費が多くなれば必ずチーズの消費も伸びるだろうと、ここにきて「先行セール」に踏み出す店もあるんだとか。
チーズは日本人にとって数少ない「将来的に消費が伸びそうな品目のひとつ」なので、どのスーパーもけっこう目を付けているんですって!
他にも安くなりそうなものを教えて!
ワイン&チーズの他にも、ハム・ベーコン、パスタ、香辛料、はちみつ、アイスクリーム、チョコレート…といった食品たちの関税が下がる予定です。
関税の率でいうと、チーズやアイスクリームには約30%近い関税がかかっていたものもあるので、欧州産に目がないという方にとっては嬉しいニュースになるでしょうね。
また食品から離れると、衣類やバッグなども関税が撤廃されます。
とくに衣類は関税即時撤廃組に入ります。
これらの服飾品はもともとの関税の率に大きな差があるので、一概にどれもすごく安くなるとは言えませんが、ものによっては1割以上の値下げになることがあるようです。
EPAセール、ここに注意
ただし全体としておさえておきたいポイントは、品物によってはすぐに値段が安くならない、という点です。
これから各小売店それぞれで「EPA発効記念セール」が行われるかもしれませんが、いまなぜこの商品が安売りされているのか、その理由は商品によってさまざまなのです。
ワインは関税即時撤廃、だけどチーズは段階的に撤廃。
つまりお店が「ワインの消費に合わせてチーズを買って欲しい」と思っているだけで、実際チーズの関税はいまだかかったまま=お得感は薄い、よって今のセールではワインだけを買うのが得策なんですね。
このように関税即時撤廃組の品目をちょっと覚えておくだけでも、セールに釣られて余計な出費がかさまなくてすみます。
私たちが本当にトクするEPAセールとは、店側の抱き合わせ戦略を読み切る「単品セレクト買い」だといえるでしょう。