米ウォルマート・西友売却!外資系スーパーが日本から撤退する理由

  • 2018/07/18
  • ライフスタイル・娯楽
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米ウォルマートが、傘下の国内スーパー・西友を売却する方針を決定した。
この時点で買い手は正確に決定していないが、売却先として流通大手や、投資ファンド、商社が候補にあがっている。

米ウォルマートが、傘下の国内スーパー・西友を売却する方針を決定
もし実現すれば、3000億-5000億円規模の売却劇になるといわれる今回の話。
そして外資系スーパーが日本に進出しても撤退する理由は、どこにあるのか。

 

PBが屋台骨を支えてきた西友

業界最大手のウォルマートが、日本進出の足掛かりとして西友の完全子会社化に乗り出したのは10年前。’02年に業務提供を行い始めてから6年後の事だった。

PBが屋台骨を支えてきた西友
セゾングループからウォルマート傘下になった時に変わったのが、特売日を設けなくなった事だ。その代わりに『エブリデー・ロー・プライス(EDLP)』を貫き、近隣スーパーの安売りチラシを持ってくれば、チラシの価格と同じ値段で売ると言うリサーチ方法を編み出した。

ウォルマートが西友売却に乗り出した理由
セゾングループ解体後は、良品企画が西友から抜け、西友がウォルマートグループの傘下となってからは、PBブランド『みなさまのお墨付き』が人気となった。

1商品につき、100名、住む地域も嗜好も違う20~60代の主婦を中心に1~2年置きに再テストを行い、70%以上の満足度を叩き出した商品だけが店頭に並ぶのが『みなさまのお墨付き』だ。

西友が今回の騒動で、どこかに売却されたとしても、消費者が求めるのは、『みなさまのお墨付き』が消えない事と、無印良品の復活だろう。

ウォルマートが西友売却に乗り出した理由は、具体的に何なのか。

 

ネットスーパー部門で採算が合わないからか

ウォルマートが西友を売却した理由の一つが、ネットスーパー展開にある。

ネットスーパー部門で採算が合わないからか
日本では、食品はスーパーに買いに行くのが当たり前で買いに行けなければスーパーそのものが出張するという概念もある。そうでなければ『とくし丸』の様なビジネスは生まれない。

だがウォルマートのお膝元である米国の食品流通業団体『食品マーケティング協会(FMI)』の調査結果では、2024年までに7割の消費者がネットスーパーで食品を購入するだろうというデーターが出ているのだ。

これは米国の国土が広いという事と、既存のスーパーの廃業も関係している。

ウォルマートが西友を売却した理由の一つが、ネットスーパー展開にある
ウォルマートが、ネットスーパーへのシフティングをここ5年で急ピッチで進めている理由は、アマゾンの存在だ。
無人店舗を設置し、人件費を節約した店舗を作る一方で、既存の配達網を生かし、ネットスーパーに参戦したアマゾンは業界トップを誇るウォルマートを6位まで追い上げている。

その為、ウォルマートは、2年前に、米ネット通販ジェット・ドット・コムを30億ドル(約3300億円)で買収。今年5月にはインドのネット通販大手フリップカートの株77%を160億ドル(約1.7兆円)で購入し経営権を得た。

その後に取り掛かったのが、ネットスーパー部門の採算が合わない店舗や、子会社の清算だ。PBが幅を利かせ、ネットスーパー部門や輸入食材の売り上げが思うように伸びず、施設が老朽化する西友は売却対象に選ばれてしまったという事になる。

これはウォルマートに限らない。他の外資系スーパーもまた日本から撤退しているのだ。それは何故か。

 

何故日本に外資系スーパーは馴染まないのか

英大手テスコは、’13年にイオングループに吸収され、仏カルフールは’05年に撤退。
原因は、日本の風土に馴染めなかった事や、リサーチ不足もある。

何故日本に外資系スーパーは馴染まないのか
唯一残っているのは、’99年に進出した米卸のコストコだけだ。
業務スーパーや卸方式の強さは、国境を超えるという事をコストコは見せつけた。

日本は、他の国に比べて国土が狭い割にはスーパーや百貨店、コンビニエンスストアから独立系スーパーに至るまでバラエティに富んでいる。
流通が発達している上、商品管理も届く時間も完璧なので、そこに外資系が入り込むスキがないのだ。

これから進出するスーパーは、日本企業だろうが外資系企業であろうが、老朽化した店舗をいかに活性化させ、地域住民の声を聴けるかが課題になるだろう。

かといって、一昔前の様に、どの店の跡地も『イオン、ドンキ、コンビニ』になるというナンセンスなマネは御免である。やはり西友は西友のままで、PBを残して生き残ってほしいというのが本音だ。

筆者の住まいから一番近い所にあるスーパーは西友だ。車で行ける所で一番遠いのはイオンの大型店だが、イオンが来てほしいとは思わない。西友の規模で事足りる上、みなさまのお墨付きなどのPBがなくなるのが困るのである。

案外筆者と同じ思いで、西友の今回の騒動を見守る人も多いのではないだろうか。

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