iPad Proの存在は識者にも、そしてApple自身にも誤解されている

  • 2018/11/27
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  • のりき 夢丸
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モンスター級のスペックで登場した新iPad Pro

モンスター級のスペックで登場した新iPad Pro
新型iPad Proの使い心地はいかがですか?

ちょっと角張ったり、薄くなったり、ベゼルが減ったりと姿形も変わりましたが、中身の進化もけっこうエグい。

Apple曰くなんとCPUは「現在発売中の他社ノートPCならほとんど勝てる速さ」を誇るんだとか。
容量もついに1TBフラッシュストレージ版が登場し、もはや誰もそのスペック(お、値段もね)を「タブレット」とは呼べない代物になりました。

発表会では新型iPad Proを使ってアドビの新フォトショップもグイグイ動かして見せてましたけど、あれだけ使い回してなお本体がどこも熱々でなかったら、そりゃスゴいことなワケで。

こうしてみると世間では「iPad自体がすでに終わりの始まり」みたいな風潮ですけど、むしろこれからの方がiPadで世界を広げる人続出の感じがするんですよね。

 

新型が出ると必ずわいてくる無益な論争

新型が出ると必ずわいてくる無益な論争
で、なぜこれだけiPadに関するビジョンが人によって大きくズレているかというと、

▼「iPadはビジネスシーンに使えない」論争

新型が発売されるたびにこれが巻き起こるからなんです。

確かに初めてiPadが登場した頃はまだスティーブ・ジョブズ氏が存命中で、そのころのiPadの立ち位置といえば、Web閲覧、メール、動画、ゲーム、電子書籍…のお供みたいな感じでした。確かに。

でも、今は少しずつ目的が変わってきていますよね。
音楽だったり、VRだったり、アートだったり、デザインだったり、動画でも編集部門だったりと、もはやPCだろ?それ…っていうくらいクリエイティブでスペックを欲しがる作業をiPadに移管しようとしている。

のんきにYouTube見ながら夜ポテチかじって焼酎呑んでるのは、iPad Air2で立ち止まっているオジサンくらいなもんですよ。

しかもまたそれらのクリエイティブな作業とiPadの相性がぐんぐん良くなってきた。
相性がいいからとっつきやすく、初心者や子どもでも抵抗なくスタートできる。
PC体験がない子たちには、タブレットこそが最初の(重要な)ガジェット体験になり得るんですね。

一方既存層のオフィスおじさんたちは「おーい、いつまで待っていればガッツリOffice使えるようになるんだ?」とか「ファイル機能使えね〜」とか、ビジネス面での劇的進化を待ち望んでいるから、これじゃない感が拭えない。

その証拠に新型iPad本体の良さとは裏腹に、入力手段の「スマートキーボード」はケチョンケチョンにけなす専門家もいるほど。

AppleもAppleで、やめりゃあいいのに「さあ今こそPCの代わりに。もうPCはいらない」とかなんとかiPadを無理にアオるから余計に風当たりが強くなる。

あのタブレットの行き着く先は、オフィスじゃないんですよ。
働くオジサンも、当のAppleも、そこを勘違いしているんですね。

 

むしろこれからが本当のタブレット全盛の時代

むしろこれからが本当のタブレット全盛の時代
でも正直、Appleは勘違いしていないと思います。
今までも単にオフィスおじさん達に付き合ってあげていただけ。
今回の新型iPadの方向性で、ぐいっとクリエイティブ方面に舵を切っちゃいましたから。

もう、オフィスには、iPadは戻ってきません。

だから今後Macの代わりにiPadとか、ビジネスバッグにiPadとか、そういう妄想を抱くのは止めた方がいいです。
Windowsの2in1(または一番安い教育用無印iPad)でも買った方が100倍幸せになれます。

今世代のiPadはじ〜っと眺める画面ではなく、「見て、触って、動かして、持ち運んで」使うツールとしてのスペックを初めて実装できた1枚と言えます。

アプリが落ちず、安心して、直感的に、ちゅうちょなく、指先でもの作りができる。
これぞ元々タブレットに求められていた「本命級の役割」だと思うんですけどね。

…ふふ、iPad Air2から買い換えちゃった〜。

この記事の作者

のりき 夢丸
のりき 夢丸
馬と日本酒と時代劇をこよなく愛するフリーライター。 モットーは「人の行く裏に道あり花の山」。 最近はドローンに興味津々の毎日。 競馬血統ブログ「ほぼ毎週競馬ナビ」にて執筆中。
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