これからの教習所は高齢運転者が通う施設になる?
- 2019/03/14
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若者の自動車離れと運転離れ
若い人が自動車を買わなくなったという話はかなり前から広まっています。とはいえ、運転免許は取得しておくという若者は少なくありません。まず、高校や大学を卒業するにあたり、就職を考えるなら自動車の運転免許を取っておく必要があるためです。
ところが、運転免許を取って就職したとしても、必ず自動車を運転するわけではありません。採用試験の応募条件に「要普通免許」とあったとしても、配属先が運転とは無縁の部署というケースが少なくないためです。
また、運転する可能性がある部署であったとしても、他の人に運転を任せるなどすれば、自分はまったく運転しないまま年月を過ごすことも可能です。
さらに、ITの進化で在宅勤務や身代わりロボットによる遠隔勤務が現実のものとなっている現在では、そもそも移動する必要がない仕事が山ほど存在します。そして、若者ほどそのような仕事との親和性が高いといえるでしょう。
かくして、運転免許は取ったものの運転しない若者から、運転免許すら取得しない若者へと移行する可能性は大です。そうなったとき、自動車教習所は顧客の確保が大きな課題となります。いまでも教習生集めは大変だといわれているわけで…。
自動車教習所を覗くと高齢者ばかりという時代がそこまで来ているのかもしれません。なぜか?高齢者の運転免許更新には自動車教習所へ行くことが条件になっているためです。
運転免許の更新は最後の誕生日の1ヵ月後ですが、この時点の年齢が70歳以上であれば、高齢者講習を受けなければなりません。この講習を実施している運転免許試験場が近所にあれば別ですが、そうでなければ最寄の自動車教習所で受けることになるでしょう。つまり、一部の人を除いて事実上、自動車教習所へ行くことが条件といえるのです。
高齢者講習とはなんぞや
高齢者講習とは、70歳以上の運転免許更新希望者が受ける講習で、74歳までの高齢者と75歳以上の高齢者では内容が異なります。
74歳までの高齢者の場合、動画の映像などを見ながら安全運転に関する講習を受けます。この部分は、69歳以下の更新時講習とたいして変わらないといえそうです。この際、指導員から質問が出されることがあります。加えて、動体視力などの検査と実車での運転実技が行われます。必要に応じて指導員からアドバイスを受けるのが特徴です。概ね2時間かけて実施される講習には、5,100円の費用がかかります。
後期高齢者と呼ばれる75歳以上になると、まず認知機能検査が行われます。ここで問題がなければ、上記の内容を受けて終了です。しかし、認知機能低下のおそれがある場合は、より濃い指導を受けます。
さらに、認知症のおそれがあると判断された場合は、医師の診断書か臨時適性検査で認知症ではないとならない限り、講習を受けることはできず、免許取消か停止となるのです。ここで認知症ではないとなれば、認知機能低下のおそれがある場合と同様の講習を受けます。
かかる費用は、認知機能検査(30分)が750円で、問題ない場合の講習費用は74歳までと同じ5,100円ですのでトータル5,850円です。問題ありで講習に進んだ場合は3時間7,950円の講習費用がかかるため、トータル8,700円となります。
これとは別に、認知症を疑わせる交通違反があったため臨時認知機能検査を受けるケースがあります。費用は同じ30分750円です。その後は上記と同様に、結果的に認知症となれば免許取消か停止となります。問題がなければ運転継続へ、認知機能に問題がある場合は2時間の臨時高齢者講習を受けます。この費用は2時間で5,800円です。
若者の自動車離れが進み、一方で過疎化と高齢化が進む地方では何歳になっても運転しないわけにはいかない事情がある。そんな時代が進む以上、教習所に来ているのは高齢者ばかりという状況が絵空事とはいえないのかもしれません。