豊洲の市場がオープンしたが、事故も起きた「ターレ」って誰でも運転できるの?
- 2018/10/25
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すっかりおなじみになった、ターレという存在
「都内をターレが大移動」とか「ターレに女性が挟まれる」とか「ターレが出火」とか。
築地から豊洲へ中央卸売市場が移動するというニュースとあわせて、ここ2、3日で聞きなれない「ターレ」なる言葉を一生分耳にした気がする私、アントニオ犬助なのです。
そんなターレとは倉庫や工場などで用いられる、荷物運搬用の車両のこと。台車に円筒が引っ付いた外観で、すっかりおなじみになりました。これが市場で欠かせない存在になったのは、小回りが効くから。
円筒状の部分にモーターや車輪など駆動系全てが収められており、ハンドルを回すとモーターごとクルクル回る。後輪を軸にして360度のターンを決めるのも朝飯前ですから、決して充分なスペースがあるとはいえない市場でも、活躍することができるのです。
そんなターレを意のままに操るには、熟練が必要とされるのですが、運転自体は実に単純。加速は上部に設置されたリングを握りこむことで、減速は足元のペダルを踏み込むことでおこないますから、前進だけならば誰でもすぐにできてしまいます。
それでもトップスピードは時速15km、電気駆動だけに加速も非常に良いとされていますから、豊洲市場の見学の際にはターレに跳ね飛ばされないよう、充分に注意してください。
分類は小型特殊自動車になります
そんなターレで気になるのは、誰でも運転できるのか? ということ。
道路交通法上、ターレが分類されるのは小型特殊自動車。フォークリフトやトラクター、ロードローラーなどと同じ分類になり、普通自動車免許で公道を運転することができることに加えて「小型特殊自動車免許」でも運転が可能だとか。
小型特殊自動車免許を取得するには学科試験をパスすることと、3時間の受講が必要とのこと。実技は必要ありませんが、ターレでもわかる通り小型特殊自動車は運転方法も乗り味も様々、実技の試験など無意味ということでしょう。16歳以上でその気になれば、その日の内にターレを運転できる免許を手に入れることも可能ということですね
また豊洲などの市場内に限ってターレを乗り回すならば、特に免許はいらないとか。公道じゃないですから当然ですよね。
特例処置で可能になった、ターレの大移動
加えて気になるのが、ターレは公道を走れるのか? ということ。
豊洲への引越しでは2,000台を超えるターレが列を成して走っていましたが、緑色の小型特殊のナンバープレートが付いているものは一部だったはず。他のターレは臨時ナンバーを発行したのか? と思っていたのですが、そうではなさそう。今回の引越しに限りナンバーなしでも公道を走れるように、特例として認めたそうな。
そりゃあ1,000枚を優に上回るであろう臨時ナンバーを発行する手間に比べたら、特例としたほうが得策というものでしょうね。
意外に短命、ターレの一生
その昔、ターレは独特のエンジン音から「パタパタ」とか「バタバタ」とか呼ばれていたこともあったそうです。しかし排ガスを撒き散らして構内を走り回るターレはどう考えても、市場には不似合い。EV版ターレが登場すると急速に入れ替えがすすめられました。
築地市場には時代に取り残されたエンジン・ターレがまだ相当数走り回っていたといわれていますが、今回の引越しでは残念ながら連れていってもらえなかったといいます。恐らく築地市場の解体と一緒に廃棄される運命にあるのでしょう。
確かにターレの中古車に需要はあるのです。
しかし、非常にハードに扱われているのが築地のターレ。耐用年数はだいたい4、5年、駆動部にガタが来る前に、車体を支えているフレーム自体がダメになり廃車となってしまうとか。エンジン・ターレというだけで、通常の耐用年数は過ぎてしまっているもの。築地市場と運命を共にするのはしょうがないのかもしれません。