過疎地の救世主となるか一人用自動運転車
- 2018/10/14
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つくば市で新たな実証実験が
アメリカの大型車よりもコンパクトカーが圧倒的な人気を誇っているニッポン。さらに、コンパクトカーよりも軽自動車の方が何かとお安く済む点で支持を受けている面があります。ただ、そんな日本においても、一人乗りや二人乗りの自動車はあまり見かけません。メーカーが本気を出していないこともあるでしょうが、あまりにも限定的な用途となるため大規模な需要に結びついていないことも否めないところです。
そんな中、一人乗りの自動運転車の市民の足代わりに利用しようという実証実験が行われるとのニュースが入ってきました。日経のニュースによると、自宅と最寄りのバス停留所を電動の一人乗り自動運転車で結び、そこからは燃料電池搭載のバスで移動するというエコ満載の試みです。
実証実験を行うのは、筑波大学、つくば市、トヨタなどで、関連の技術開発を行っている三菱電機や日本電気といった主要企業の参加も検討されているビッグなものとなる予定。つくば市といえば、モビリティロボット実験特区として、一人乗りの自動運転装置の実証実験に取り組むなど、この分野での先進性を発揮している都市でもあります。
2019年度から2022年度まで実験を行う予定で、単に移動手段として使うだけでなく、AIなど最新技術を駆使した自動運転ノウハウの蓄積が目的のひとつとなっている点は注目です。人間が介在しなくても渋滞を予測し回避するといった安定運行につながります。
この実証実験が好結果につながれば、日本中の交通需要を大きく変化させる可能性があります。つくば市でのケースは、あくまでも自宅とバス停という限定的な実験ですが、仕組みさえ作れれば目的地がバス停である必要はないわけです。
過疎地の高齢者でも使えるか
現在、日本各地で急速な人口減少による過疎化と高齢化の問題が深刻化しています。そうした地域では、採算ベースに届かないことから公共交通機関が壊滅的な状態にもなっています。そのため、各自に欠かせないのが自動車です。自動車がなければ日常の買い物や通院にも支障をきたすレベルという地域も珍しくありません。
ところが、一方では高齢者による交通事故の問題も大きな関心事となっています。一定の年齢になれば免許を返上しようという空気と、移動手段がなくなれば死活問題という現場の実情がモヤモヤした雰囲気を醸し出しているのです。
そこに自動運転の一人乗り自動車が登場したなら、問題の解決に一歩も二歩も近付く可能性があります。自動運転車であれば、乗員が若者であろうと高齢者であろうと、運行そのものに違いはないからです。
人間だけでなく荷物を載せるスペースも必要でしょうが、それはどうにでもなる話でしょう。
もちろん、年齢に関係なく認知症の人が単独で乗ることは問題がありますが、単に高齢で若者よりも運転技能が落ちるといったレベルであれば、使用を制限する必要もないでしょう。つまり、過疎地の高齢者が乗れないとする積極的な理由は見当たりません。
ただし、通常の運転免許をそのままにしてということであれば、従来型の自動車を運転することも可能となります。そこで、自動運転車限定の免許に切り替えるなどの措置は必要かもしれません。
人口減少が進む中では、人的な手当てはまず無理です。過疎と高齢化に対応するためには、科学技術の力が欠かせないという時代になったのだなと、オヤジ世代にもわかる状況になりました。
問題の「お値段」についても、足を必要としている全国の高齢者を中心に需要が高まれば、手に入れやすい価格での生産が可能になるでしょう。それでも高いということであれば、公費を投入するという手もあります。費用対効果の高い税金の使い方になると考えられます。
そんな自動車の早期登場を願うオヤジは少なくないでしょう。