エコへの関心が高まっているのに電気自動車がイマイチ流行らない理由
- 2018/05/07
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まずは電気自動車の歴史を紐解いてみる
電気自動車が現れたのはつい最近のように感じますが、実は長い歴史を持つ乗り物なのです。
さかのぼること、時は1900年。
この頃にはすでに電気自動車が道を走っていました。
しかも、人気もなかなかのものです。
アメリカの国勢調査によると、同年のアメリカで生産された自動車(4,192台)のうち、なんと28%が電気自動車といいます。
同年の電気自動車の販売総数においては、蒸気自動車とガソリン自動車の合計額を超えるという結果になりました。
当時、電気自動車がウケたのは、蒸気自動車やガソリン自動車よりも音、振動、ニオイがなかったことや、操作が単純だったことが挙げられます。
ところが、電気自動車の人気はそう長くは続きませんでした。
ライン生産方式による大量生産技術開発が進み、アメリカの中流の人々も買えるガソリン自動車が登場したからです。
その大量生産技術開発の後援者とは、かの有名なヘンリー・フォード。
彼は“自動車の育ての親”とも称され、1908年に発表されたT型フォードは世界で累計1,500万台以上生産されました。
それから再び電気自動車にスポットが当たったのは、1990年代の排気ガス規制がきっかけでしょう。
カルフォルニア州大気資源局は、排気ガスの出ないゼロエミッション車の製造・販売を自動車販売メーカーに義務付ける新たな規制をつくりました。
そして日本では、1997年にトヨタ「プリウス」が登場。
国内外の関心を集め、2000年に世界中で販売されてからはわずか1年で約5万台を達成しました。
現在もフォード、フォルクスワーゲン、メルセデスベンツなど既存自動車メーカーは、こぞって電気自動車開発に熱を入れています。
環境にやさしいのにイマイチ流行らない理由
現在の電気自動車といえば、CO2や有害物質を排出しない“環境にやさしいクルマ”というイメージがあります。
環境問題を世界中で解決していこうとする中、電気自動車は時代が求めているクルマともいえるのではないでしょうか。
ですが「世界中で電気自動車が大流行している」と実感している人は、そんなに多くはないはずです。
電気自動車がガソリン自動車に替わるクルマになるためには、まだまだたくさんの問題をクリアする必要があると考えられます。
■充電の問題
電気自動車を充電する「急速充電スタンド」の整備が進められていますが、ガソリンスタンドほどの数はありません。
しかも、1台の充電時間が30程度と長いため、先客がいたら順番待ちを余儀なくされます。
家庭でも充電することが可能ですが、フル充電には7時間以上も必要ですし、充電中は他の家電を気軽に使えない場合もあるため、充電をするタイミングにも気を遣うことも。
自然放電もあり、「久しぶりに乗ろうとしたら電池がかなり減っていて驚いた」なんてこともあります。
■一充電あたりの航続距離が長いクルマもある。しかし…
一回の充電でたくさん走れる電気自動車も販売されています。
初期モデルのリーフは航続距離が200kmなのに対し、2017年に販売されたテスラ モデルS 100Dは632kmにも及びます。
ですが残念ながら、庶民が買えるような価格ではありません。
同車の新車価格は、なんと1,203万円。
一般家庭には手が届かない、立派な高級車です。
そして、最大の魅力であるはずの大容量バッテリーにも落とし穴が。
大容量ゆえに、フル充電まで20時間以上かかることもある他、車両重量は2,106kgとなかなかのもの。
立体駐車場を利用する場合は重量制限に引っかかる恐れがあるので、注意が必要です。
さらなる技術革新に期待!
かつて、ガソリン自動車が買いやすい価格になったことで爆発的に売れたように、電気自動車もいつかは庶民のクルマとして愛される日がくるかもしれません。
新型の日産・リーフが航続距離400km、価格は315万円と健闘しているので、その日は案外早く訪れるかも…?
世界を震撼させたプリウスのような、日本メーカーによる新たな感動と衝撃に期待しましょう。